津波からの避難の大切さ伝える絵本が完成

東日本大震災で当時6歳の長女を亡くした語り部の女性が、仙台市の大学生とともに作った津波からいち早く逃げることの大切さを伝える絵本が完成し、大学の図書館などに寄贈されました。

絵本作りに取り組んだのは、石巻市に住む佐藤美香さんと、仙台白百合女子大学で幼児教育などを学ぶ学生6人などです。
佐藤さんは、東日本大震災で、幼稚園のバスに乗っていた長女の愛梨ちゃん(当時6歳)を津波と火災で亡くし、現在は語り部として震災の記憶や教訓を伝えています。
学生たちとは去年5月から絵本の構成などについて打ち合わせを重ねてきました。
完成した絵本は海の近くに住む男の子が大きな地震が起きて戸惑っていると2人の女の子が現れて高台まで連れて行ってくれるストーリーで、津波からいち早く避難することの重要性を伝えています。
絵本は4日、大学の図書館などに寄贈され、挿絵を担当した大学4年生は、「これからの世代につながる作品を作ろうと制作しました。園児や小学生など震災を知らない世代を中心に震災や防災について考えてもらうきっかけにしてほしいです」と話していました。
佐藤美香さんは、「娘の同世代の学生と作ることで震災と向き合ってもらい、考えてもらうことができ、意味があったと思います。防災教育の一環として使ってもらいたいです」と話していました。