仙台フォーラス営業終了 老朽化に伴う調査で1日から長期休業

仙台市中心部にある商業施設「仙台フォーラス」は先ほど午後6時に営業を終え、39年の歴史にいったん幕を閉じました。
建物の老朽化に伴う調査のため、3月1日から長期休業に入ります。

仙台市青葉区一番町にある仙台フォーラスは、長期休業前の最終日となった2月29日、午後6時に営業を終えました。
その後、店舗の前ではセレモニーが行われ、仙台フォーラスの佐藤雄一館長が集まった人たちに対して「東北生まれのフォーラスをあたたかく支持いただいた東北一円のお客様のおかげです。設置したメッセージボードではフォーラスは『私たちの青春でした』という言葉を多くいただきました。休業で安全安心をしっかり整えて、また喜ばれる店として作り上げて戻って来たいと思います」とあいさつしました。
その後従業員が頭を下げるなか、入り口のシャッターが閉められ、仙台フォーラスは39年の歴史にいったん幕を閉じました。
仙台フォーラスは、若者のファッションの発信拠点として長年、親しまれてきましたが、建物の老朽化が進み、大がかりな調査に入るため3月1日から長期休業に入ります。
運営会社によりますと、営業再開の時期は未定だということです。

【仙台フォーラスのこれまで】
仙台市青葉区一番町にある仙台フォーラスは地上8階、地下3階、売り場面積はおよそ1万4500平方メートルの商業施設です。
1975年に「ジャスコ仙台店」として開業。
1984年には今の「仙台フォーラス」に名称を変更しました。
長年、若者のファッションの発信拠点になっていて、かつてはセールの時期にはオープン前に若者たちの長蛇の列ができることもありました。
また「ラス前」の愛称で、仙台市中心部の待ち合わせ場所としても親しまれてきました。
長期休業の理由について、運営会社は現在の建物は耐震補強済みで安全性に問題はないものの、老朽化が進んでいる建物や設備の調査を行うためだとしていて、営業再開の時期は現時点で未定だとしています。

【地元の人に愛された中華料理店】
仙台フォーラスの地下2階で、前身の「ジャスコ仙台店」が開業した2年後の1977年から47年にわたって営業を続けてきた中華料理店は、食べ応えのあるボリュームたっぷりのメニューを提供していて、学生や家族連れを中心に地元の人たちに愛されてきました。
仙台フォーラスの長期休業に伴って、この場所での営業を終えることから思い出の味を求めて、連日、多くの客が訪れています。
40代の男性は「この場所での営業が最後ということで食べに来ました。高校生の時から30年ほど通った店で安くて量が多いところが気に入っています」と話していました。
50代の男性は「学生時代にアーケードで遊んだり買い物したりしたときによく食べに来ていました。きょうは当時の友人を誘って久しぶりに来ました」と話していました。
この中華料理店は、近くに移転して営業を続けることにしていて、山田英則店長は「これまでのお客さんに対する感謝と同時に移転することに寂しさを感じている。移転先では今よりもパワーアップしてがんばっていきたい」と話していました。

【営業終了に利用客は】
「仙台フォーラス」では長期休業に入るのを前に、2月29日の営業終了後にセレモニーが行われ、利用客からは休業を惜しむ声が聞かれました。
50代の女性は「若いときに洋服を買った思い出があるので寂しいです。広瀬通りの顔でもあったのでまたオープンしてほしいです」と話していました。
仙台フォーラスで開業から25年間勤務していた経験があるという50代の男性は「フォーラスは青春だったので、自分の中でひとつの時代が終わり、ありがとうしかないです。新しく生まれ変わって前のフォーラスのようにみんなに愛される店を作って欲しいです」と話していました。
また娘が仙台フォーラスで働いているという70代の男性は「地域に根ざした店なので、親近感があります。ぜひ復活してほしいと思います」と話していました。