県産三陸わかめ ことし初の入札 低気圧被害の影響も

三陸沿岸の特産品「三陸わかめ」のことし初めての入札が気仙沼市で行われました。

三陸わかめは、肉厚で歯ごたえがよいのが特徴です。
27日は、気仙沼市の「わかめ流通センター」で、県内産「三陸わかめ」のことし初めての入札が行われ、塩漬けにした「塩蔵わかめ」およそ31トンが出荷されました。
全国から集まったおよそ40の買い付け業者は、わかめを手にとり、色つやなどを確かめながら入札に臨んでいました。
三陸わかめは、先月下旬の低気圧による暴風や高波の影響で流されたり傷ついたりして出荷出来なくなる被害が出ていて、県によりますと養殖ワカメへの被害額はおよそ11億3千万円に上るということです。
影響は入札にもおよび、出荷量は去年の半分以下にまで減少しました。
数量が少なかったことから全体的に価格は上がり、最高価格は例年より高い10キロあたり1万5900円で落札されました。
東京から買い付けに来た男性は、「低気圧の影響が心配でしたが実物を見るとしっかりしたものが出ていて、安心しました」と話していました。
宮城県漁業協同組合わかめ・こんぶ部会の及川文博部会長は「量は少ないものの、漁業者の努力もあり質のよいものが集まりました。寒い季節なので温かい味噌汁に入れてわかめを食べていただきたい」と話していました。
三陸わかめの出荷は5月上旬まで行われます。

【わかめ養殖の漁業者は】
南三陸町の歌津地区でワカメ養殖を営む高橋栄樹さんは先月下旬の低気圧による被害について、「本当であれば海面に張ったロープにワカメが大量にぶら下がっているはずが根が外れてしまってほとんど無くなってしまった」と振り返りました。
そして、ほぼ半減したワカメの出荷量については「20年間養殖をしているが、低気圧の影響でここまでの被害が出るのは初めてだ」と話していました。
また、燃料費などの高騰で生産費がおよそ3割上がる中で、取り引きが始まった三陸わかめの価格については、「品質を評価された上で減産をカバーできる価格になってくれればありがたい」と述べ、今後の高値での取り引きを期待していました。