鉄道の新人運転士に免許証交付


地方鉄道で運転士不足が課題となるなか、東北地方の鉄道会社で働く8人が運転士の試験に合格し、仙台市にある東北運輸局で免許証が交付されました。
列車の運転免許試験は毎年9月から12月ごろまで全国の運輸局で行われ、今年度は東北運輸局管内で8人が合格しました。
8人はそれぞれの制服を着て出席し、東北運輸局の石谷俊史局長から1人1人に免許証が手渡されました。
その後、岩手開発鉄道の佐藤雅治さんが代表して「きょうの喜びと感謝を忘れずに鉄道輸送の使命である安全・安定輸送につとめます」と宣誓しました。
新人運転士たちは今後、それぞれの勤務先で先輩の指導を受けながら現場の業務を経験し、2か月から半年後には、ひとりで運転するようになるということです。
阿武隈急行の菊池侑生さんは「安全な運行を最優先に、地域に寄り添うことのできる運転士になりたい」と話していました。
東北運輸局鉄道部安全指導課の西條学課長補佐は「地方で運転士不足という課題がある中で、地元に密着して働いてほしい」と話していました。
東北地方の鉄道会社などで作る団体によりますと、全国では鉄道の運転士不足からダイヤの維持が難しくなっている地域もあり、東北でも今後、運転士の確保が求められています。

電車の運転士になるには運転士を希望して鉄道会社に就職し、駅員や車掌の業務経験を積んだあと、地方鉄道の場合、国土交通省が年2回実施する身体検査や学科試験、技能試験に合格しなければなりません。
東北運輸局によりますと、東北地方ではJR以外で毎年30人程度に新たに運転士の免許が交付されていますが、若い人の間では長時間労働につながるシフト制の負担や待遇への不満などを理由に離職する人もいます。
全国的には運転士不足から運行本数を減らす鉄道会社も出ていて、新人運転士の確保が大きな課題となっています。