病院再編計画めぐり 県が初めての住民説明会

宮城県は、病院の再編計画をめぐって、17日、初めての住民説明会を仙台市で開き、出席者からは住民の声に耳を傾けるよう求める意見が相次ぎました。

県が進める病院の再編計画では、仙台市の「仙台赤十字病院」と名取市の「県立がんセンター」を統合して名取市に設置するとしています。
さらに、仙台市の「東北労災病院」と名取市の「県立精神医療センター」をそれぞれの経営主体を残したまま富谷市に設置した上で、名取市には精神医療センターの分院を設ける計画です。
県は17日夜、この計画をめぐる初めての住民説明会を、「仙台赤十字病院」がある、仙台市太白区の八木山地区で開きました。
県の担当者が「人口減少を見据えると病院再編は避けられない」などと説明したのに対し、住民からは「説明が遅すぎる」とか「住民の声に耳を傾けた協議を進めてほしい」といった意見が相次ぎました。
また、県の担当者は、県立精神医療センターの病床数について、移転先の富谷市では、今より3割あまり減らし170床程度にしたいという見通しを明らかにしました。
参加した50代の男性は、「内容が難しく、県の本音が見えなかった。地域の納得はまだ得られていないと思うのできちんと議論を進めることがいい結果を生むと思う」と話していました。
一方、説明会に出席した伊藤哲也副知事は「『仙台赤十字病院を動かさないでほしい』との発言が多く、地域住民としてはごもっともな意見だと思う。よりいっそう説明を尽くしていきたい」と述べました。
県は、仙台市から転出する計画の「東北労災病院」周辺の住民に向けても、今月23日に説明会を開く予定です。