仙台フィルがアニメ音楽に特化した定期演奏会を開催へ

仙台市を拠点に活動している仙台フィルハーモニー管弦楽団が、20日、記者会見を開き、民間企業と協力して、アニメーション作品などの楽曲に特化した定期演奏会を日本で初めて行っていくと発表しました。

仙台フィルハーモニー管弦楽団は、仙台市を拠点に活動を続ける市の外郭団体で、ことしで創立50周年を迎えました。
仙台フィルは、20日、仙台のホールで常任指揮者の高関健さんなどが出席して記者会見を開き、来年度の活動方針などを発表しました。
それによりますと、アニメやゲームなどのエンターテインメント分野などを手がける「バンダイナムコホールディングス」の映像や音楽事業の会社と協力し、この企業が権利を持つアニメーション作品の楽曲の演奏会を定期的に行うということです。
仙台フィルによりますと、こうした取り組みは日本で初めてだということです。
具体的な演奏内容については検討しているとしていますが、来年3月には、事前企画として、NHKで放送されたクラシック音楽を題材にしたアニメ「クラシカロイド」で使用された曲を演奏するコンサートを開くということです。
各地のオーケストラが加盟する日本オーケストラ連盟によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大で、全国的に演奏会への入場者数が大きく減少し、その後も完全には回復していない傾向にあるということです。
仙台フィルでも入場者数の回復には至っていないということで、こうした取り組みを通じて新たなファンを獲得したいとしています。
仙台フィルの美濃部敦チーフ・インスペクターは「コンサート会場ではアニメの映像は流さず、楽曲のすばらしさを堪能してもらう計画です。クラシックを聴きに行くのはハードルが高いと思っている人も、ぜひ来てほしい」と話していました。
また、仙台フィルハーモニー管弦楽団と協力して定期演奏会を行うことになった「バンダイナムコミュージックライブ」の尾崎雅之取締役は「これまでは単発でのオーケストラが演奏するシリーズをやってきたが、継続的に行えるのは非常にありがたいと思っています。オーケストラ好きの人にアニメを好きになってもらいたいし、アニメ好きの人にもオーケストラのことを知ってもらいたい。その橋渡しになればいいと思っている」と話していました。