全国初の再エネ課税条例に国が同意 来年4月から施行へ

宮城県が全国初の導入を目指す、森林を開発して再生可能エネルギーの発電施設を建設する事業者への課税について、国は17日付けで同意し、来年4月から条例が施行されることになりました。

再生可能エネルギー施設の森林などへの建設を巡っては、住民と事業者の間でトラブルになるケースが相次いでいて、宮城県は、森林を開発して施設を建設する事業者に独自の課税をすることで比較的、トラブルになりにくいとされる平地での建設を促すとしています。
ことし7月には必要な条例を制定し、その後、国と協議していましたが、17日付けで同意を得たことから、来年4月1日から条例が施行されることになりました。
市町村が特例として認めた区域以外で、森林を開発して施設を新たに設ける事業者に対し、出力に応じて営業利益の20%程度を課税する方針です。
県によりますと、税を課すことによって、発電施設の立地を巡るトラブルを避けようという取り組みは、全国でも初めてだということです。
村井知事は記者団に対し「この税は、再生可能エネルギーの促進を抑制するものではなく、地域の理解を得ながら普及を進めるためのものだ。適地に誘導することがねらいで、一番うまくいったときには税収はゼロになる。ほかの都道府県にも参考にしてもらいたい」と述べました。

【課税対象の可能性 現段階で36計画】
県が新たな課税を目指す背景には、温室効果ガスの排出の削減に向け、再生可能エネルギーの導入は進めたい一方、自然環境への影響を懸念して住民から反対の声が上がるケースが相次いだからです。
実際に去年から、川崎町や丸森町、それに大崎市で、住民の強い反対を受けて、風力発電の計画が撤回されています。
県によりますと、条例が施行された場合、課税対象となる可能性がある計画は、いまの段階で風力や太陽光を中心に36に上るということで、今後、事業者に対してほかの場所に変更できないか働きかけたり、特例として建設を認める区域に指定できるかどうか、市町村や住民と協議したりすることにしています。