太白区の中学生切りつけ事件 弁護側が無罪か減刑を主張

去年7月、仙台市太白区の路上で、女子中学生2人を刃物で切りつけてけがをさせたとして、殺人未遂などの罪に問われている45歳の被告の初公判が開かれ、弁護側は「事件当時、被告は心神喪失、もしくは心神耗弱の状態だった」などとして無罪か減刑すべきだと主張しました。

仙台市太白区の無職、尾張裕之被告(45)は去年7月、仙台市太白区の路上で登校中だった女子中学生2人を刃物で切りつけ、それぞれけがを負わせたとして殺人未遂と銃刀法違反の罪に問われています。
16日仙台地方裁判所で開かれた初公判で、被告は起訴された内容について発言を求められると「ありません」などと述べました。
続いて弁護側は「事件当時、被告は統合失調症で心身喪失、もしくは心身耗弱の状態だったため無罪か減刑するべきだ」と述べたうえで、中学生1人に対しては事件の記憶がなく、故意ではないため犯罪は成立しないなどと主張しました。
これに対し、検察側は「被告は統合失調症を患っていたが、症状である被害妄想は犯行に影響せず、責任能力に問題はなかった。いずれの中学生に対しても故意だった」などと主張しました。
今後の裁判では、事件当時、被告に責任能力があったかどうかや2人のうち1人について故意だったかどうかが争点になる見通しです。