「女性の人権ホットライン」強化週間始まる

夫などからの暴力や職場でのハラスメントなど、女性の人権に関する相談を電話で受け付ける「女性の人権ホットライン」の強化週間が15日から始まり、仙台法務局では通常より受付時間を延長して相談に応じています。

「女性の人権ホットライン」は、全国の法務局に常設されている相談窓口で、法務局の職員や法務大臣から委嘱された人権擁護委員が相談に応じます。
15日から全国一斉の強化週間が始まり、仙台市の仙台法務局では、相談員や電話回線を通常より増やして対応にあたっていて、午前中から相談の電話がかかってきていました。
相談は無料で、匿名でも受け付けているほか、悩みを抱える本人の代わりに身近な人などが相談することもできます。
仙台法務局によりますと、寄せられる相談の件数は年々増加傾向にあり、職場でのパワハラや家庭内での精神的な嫌がらせなど、本人の意思に反して無理強いさせられる「強制や強要」に関する相談が多いということです。
仙台法務局人権擁護部伊藤大介第二課長は「どのような相談でも私たちが聞きますので、ぜひ勇気を出して一歩踏み出し、利用してほしい」と話していました。
この強化週間は今月21日までで、電話の受け付けは、平日は午前8時半から午後7時まで、土日は午前10時から午後5時までとなっています。
電話番号は全国共通の0570−070−810で、インターネットでは、常時、受け付けているということです。
https://www.jinken.go.jp/


【県内の女性支援の現場は】
悩みを抱える女性の支援を巡っては、県も民間団体と連携して取り組みを強化しています。
県は、新型コロナウイルスの感染拡大などを背景に、おととしから生活への不安や悩みを抱える女性を支援しようと、民間団体と連携した事業を行っています。
別で取り組みを行っている仙台市を除いて、県内を5つのエリアに分け、▼県南地域、▼仙台北地域、▼石巻地域、▼気仙沼・登米地域、▼栗原・大崎地域で、県が委託したNPO法人が女性からの相談を受けさまざまな支援を行っています。
このうち、石巻市のNPO法人「やっぺす」は、電話や対面のほか、気軽に相談しやすいようLINEでも相談に応じています。
「女性による女性のための相談窓口」を掲げ、DV=ドメスティックバイオレンスや離婚問題など幅広い相談を受け付けています。
また、抱えている問題の解決にあたって行政や医療機関などに1人で行くことに不安を抱えている人のためにスタッフが付き添う同行支援も行っています。
最近では、経済的に困窮しているという相談が増えていて、団体独自の取り組みとして、家賃が払えなくなった人のために住む場所を確保したり、十分な食事がとれていない家庭に食料などを無料で提供したりする活動にも力を入れているということです。
NPO法人「やっぺす」で相談員をつとめる高橋智恵さんは「いまは物価も高くなって、コロナの影響で仕事が減ったり、ひとり親だと子どもを見ながら長時間、仕事ができなかったりして経済的に厳しくなっているといった相談が多い」と話していました。
そのうえで「相談というよりも、少し心配なことを聞いてほしいとか、一緒にちょっと考えてほしいとか、悩みを抱え込まずに、お茶を飲みに話しに来る感覚で相談しにきてほしい」と話していました。


【女性相談 連絡先一覧】
県が、県内を5つのエリアに分けて女性の相談支援事業を委託している民間団体です。
▼県南地域NPO法人「仙台傾聴の会」080ー3199ー4481
▼仙台北地域NPO法人「キミノトナリ」050ー3503ー7707
▼石巻地域NPO法人「やっぺす」090ー1898ー4812
▼気仙沼・登米地域NPO法人「ウィメンズアイ」080ー9256ー0035
▼栗原・大崎地域NPO法人「おおさき地域創造研究会〜きらっと相談室〜」090ー6684ー4970
そのほか、県とは別に取り組みを行っている仙台市が委託している団体の女性相談の窓口です。
▼「エル・ソーラ仙台」022ー224ー8702