ナマコ漁再開も… 処理水放出影響か 去年より低価格に

宮城県内のナマコ漁が再開し、石巻市の石巻魚市場では2日朝、再開後初めての競りが行われました。
価格は去年よりも4割余り低く、魚市場では東京電力福島第一原発の処理水の放出による影響とみて、今後も価格の動向を注視したいとしています。

ナマコ漁は、資源保護の観点から宮城県では毎年4月から10月末までを禁漁期間としていて、1日から再開されました。
石巻魚市場では2日朝、石巻の牡鹿半島から持ち込まれたあわせて99キロのナマコが競りにかけられ、1キロあたり1700円で競り落とされました。
これは去年の再開後初日と比べて、4割余り低くなりました。
魚市場によりますと、ナマコは中華食材として、香港向けなどに多く輸出されていたということで、福島第一原発の処理水の放出による禁輸措置の影響を受けたものとみられるということです。
ナマコを競り落とし、海外向けにも輸出していたという名取市の水産加工会社の担当者は「売れるか売れないかわかりませんが、とりあえず初物なので買いました。需要があるのか先が見えない」と話していました。
魚市場では価格の動向を今後も注視したいとしていて、石巻魚市場の佐々木茂樹社長は「やむをえない値段です。消費量の多い国などが禁輸措置を続けているかぎり売り先が見込まれない。一刻も早く禁輸措置を解除してもらえるよう、国には全精力を挙げて取り組んでもらいたい」と話していました。