病院の再編計画 村井知事と郡市長が意見交換

県が進める病院の再編計画について、村井知事は、24日、仙台市内で県内すべての市長と意見を交わしました。
計画について多くの市長が評価した一方、仙台市の郡市長は、再編計画の根拠を裏付ける明確なデータが示されていないとして慎重な議論を求めました。

県は、医療機関の適正な配置に向けて名取市の「県立がんセンター」と仙台市の「仙台赤十字病院」を名取市に統合し、名取市の「県立精神医療センター」と仙台市の「東北労災病院」をそれぞれの経営主体を残したまま富谷市に設置する計画を示しています。
この計画に理解を深めてもうため、村井知事は24日仙台市内で県内すべての市長と意見を交わしました。
多くの市長から「県全体で平等に高度医療を受けられる」などと評価する声が相次いだ一方、仙台市の郡市長は「再編の具体的な根拠が示されず市民に説明できない現在の状況を憂慮している。知事には、けん引力だけでなく調整力を発揮してほしい」と求めた上で「仙台市だけごねていると捉えられるのは遺憾だ」と述べました。
これに対し村井知事は「郡市長は、再編に前向きな市民の意見にも耳を傾けた発言をしてほしい。今後は、密室や紙のやりとりではなく、仙台医療圏の市町村長も含めてみんなで決めていく場を設けたい」と応えました。
県によりますと、病院の再編計画について、村井知事と郡市長が公の場で直接意見を交わすのは、おととし11月以来、およそ2年ぶりだということです。
懇談のあと村井知事は記者団に対し「急激な人口減少で病院の経営が厳しくなると予想されるなか、安定的な病院運営のために痛みを伴ってもやらなければいけないという思いは伝えられた」と述べました。