石巻で震災語り部とサイクルツアー

東日本大震災の語り部をしている人と震災遺構となっている石巻市の大川小学校などを自転車でめぐるツアーが18日行われました。

18日は、震災の津波で石巻市の大川小学校の当時6年生だった娘を亡くし語り部活動を行っている鈴木典行さんがガイドを務め県内外から3人が参加しました。
ツアーは石巻市内を、およそ54キロ、自転車でめぐりはじめに鈴木さんは東日本大震災で堤防が決壊した北上川沿いの場所で自転車を止め震災前の写真を見せながら、発生直後は、周辺が押し寄せた津波でしばらく通行ができなかったことなどを参加者に伝えていました。
その後、児童と教職員あわせて84人が犠牲となった大川小学校に到着し、鈴木さんは、娘の真衣さんを亡くした話や津波が小学校に押し寄せた状況などを説明していました。
また、校舎のすぐ裏にある高台も案内していて、学校が子どもたちをすぐに高台に避難させず校庭にとどまらせたことについて「ここに来るたび悔しい。学校が避難訓練をしておらず、バラバラの行動になってしまった」と学校防災の大切さを訴えました。
栃木県からツアーに参加した人は「自転車は速度がゆっくりで街の風景や川など細かい話が聞けるのがよかった。大人が防災について考え、伝えていくことが大切だと強く感じました」と話していました。
ガイドを務めた鈴木さんは「自転車で一緒に走りながら、震災のことを学べるのはいいのかなと思います。今後も実施していきたい」と話していました。
このツアーは10月も行われる予定です。