インフルエンザ異例の流行 宮城県内に注意報
宮城県内のインフルエンザの患者数は、今月10日までの1週間に1医療機関あたり7.34人と、前の週の1.8倍に増加し、この時期としては過去最多となっています。
県によりますと、今月10日までの1週間に県内の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は前の週から306人増えて668人でした。
1医療機関あたりでは7.34人と前の週の3.98人から1.8倍に増えました。
特に多いのが仙台市内で、1医療機関あたり11.18人と前の週の2倍に増えて、基準の10人を超えたとして県は14日、県内全域にインフルエンザ注意報を発表しました。
インフルエンザの流行期は、例年11月から2月中旬ごろとされていますが、ことしは8月末から流行期に入っていて、県によりますと、現在の集計方法となった1999年以降、この時期としては過去最多となっています。
年代別では、▼5歳から9歳が42.8%と最も多く、次いで▼0歳から4歳が17.7%、▼10歳から14歳が17.2%と14歳以下が全体の8割近くを占めています。
背景について、県は詳しい原因は分からないとしたうえで、厳しい暑さが続いて換気が十分に行われず、空気感染のリスクが高まっていることや、コロナ禍でインフルエンザの感染拡大が抑えられていたため、免疫を持たない人が増えた可能性があると指摘しています。
県は、この時期の流行期は異例の事態だとして、今月下旬から来月にかけて各市町村で始まる予防接種の活用や、うがい・手洗いなどの基本的な感染対策の徹底を呼びかけています。
【県医師会「流行の原因分からず」】
例年の流行期ではないこの時期にインフルエンザの感染者が増えていることについて、宮城県医師会の橋本省副会長は「インフルエンザは湿度が低く、寒くて空気が乾いた時期にウイルスが増殖しやすいが、湿度が高いこの蒸し暑い時期になぜ流行が始まっているのか原因は分からず、驚いている」と話していました。
また「医療機関によっては、コロナウイルスよりインフルエンザの患者が多いところもあり、今後、乾燥した季節になればさらに患者が増えるおそれがある。新型コロナと同様に、人混みなどでのマスクの着用や手洗い、消毒といった感染対策を行ってほしい」と呼びかけています。
【学級閉鎖相次ぐ】
インフルエンザの流行で、仙台市内では、学級閉鎖や学年閉鎖を行う学校が今月に入って増えています。
仙台市教育委員会によりますと、インフルエンザを理由に学級閉鎖や学年閉鎖の対応をとっている市内の市立の学校は、14日朝時点で小学校で18校、中学校で2校のあわせて20校となっています。
一方、新型コロナが原因で学級閉鎖や学年閉鎖の対応をとっている市立の学校は、小学校で9校、中学校で3校のあわせて12校となっています。
市教育委員会によりますと、小学校の低学年から感染が広がる傾向があるということですが、この時期になぜ流行しているかについては原因は不明だとしています。
市教育委員会は、発熱などの症状がある場合には、登校せず自宅で休んでもらうほか、学校に対して換気や手洗い、それにうがいなどの対策を徹底するよう求めています。