被災地で見つかった写真を寺で燃やして供養 南三陸町

被災地で見つかった写真を寺で燃やして供養 南三陸町

東日本大震災の津波で大きな被害を受けた南三陸町では、被災地で見つかった多くの写真について持ち主が見つからないことから、16日町内の寺で燃やして供養しました。

震災の津波で大きな被害を受けた南三陸町では、自衛隊やボランティアなどが、被災地で写真や思い出の品を収集し、洗浄して町が保管してきました。
このうち写真はおよそ13万枚に上り、持ち主に返却を進めおよそ2万2000枚は返却されました。
しかし、町では持ち主が見つかるケースは年々少なくなり劣化も激しいことから、返却できないおよそ11万枚について、データ化した上で燃やして供養することを決めたということです。
16日は町内の大雄寺の境内で、写真が入った20箱の段ボールが祭壇に供えられました。
このあと、参列した人たちは、たいまつで写真に火をつけると、炎の前で手を合わせ、祈りをささげていました。
大雄寺の小島孝尋住職は、「送り盆のきょう、故人たちに一緒に思い出を持ち帰ってほしいという思いで供養しました」と話していました。
参列した佐藤仁町長は、「ボランティアたちが1枚1枚集めて洗ってくれた写真に火をつけるのはとてもつらかったが、供養できてよかったと思う」と話していました。
供養された写真は、町の社会福祉協議会でデータを元に閲覧や提供が可能だということです。