AI活用し来店客を予測 人手不足緩和へ 仙台

仙台市の中小企業が、AI=人工知能で商店街の通行人のデータを分析し来店客の数などを予測する新たなビジネスを計画していて、人手不足の緩和などにつながるか注目されています。

新たなビジネスを計画しているのは、デジタルを使った経営支援などを手がけている仙台市の中小企業「ミヤックス」です。
計画では、仙台市中心部の商店街や飲食店など9か所にカメラを設置した上で映った人物の映像をAI=人工知能で分析し、個人を特定しない形で街や店を訪れた人の性別や年齢層などの情報をデータ化します。
これに時間帯や天気、気温などの情報を組み合わせることでデータベースにして飲食店などに販売し、来店予測に活用してもらいたい考えです。
会社によりますと、これまで経験に頼る部分が大きかった客数の予測をデータに基づいて行うことで、客が多く見込まれる時間帯に効率的に人員を配置したり、むだな在庫を減らしたりするなどの効果が期待できるとしています。
システムを手がけた会社では、来月にも本格的な運用を始めたいとしています。
高橋蔵人社長は「デジタル技術を使って商店街が抱えているさまざまな経営課題を解決し、街の活性化につなげたい」と話しています。

【システム導入検討の飲食店は】
新たなシステムの導入を検討している飲食店では、人手不足の中、AIによる客数予測をもとに従業員の効率的な配置につなげたいと考えています。
仙台市役所近くにある飲食店では、先月から試験的に店の入り口にカメラを設置し、店の前を通過する通行人の数の測定を始めました。
店の運営会社によりますと、ロシアのウクライナ侵攻や円安などの影響で、食材価格が高止まりしているほか、人手不足で人件費も上昇していて、利益率はコロナ前に比べて3割ほど落ちたということです。
このため会社では、AIを使って来店客数を予測することで、むだな食材の発注を避けるとともに、客が少ないと見込まれる日にはスタッフの人数を減らすなど、効果的な人員配置につなげたいと考えています。
飲食店を運営する「ハミングバード・インターナショナル」の小野雅人部長は「人流データを活用すれば入店率も推定でき、新商品やPRの効果も確かめられるのではないか。コストを削減し、利益の確保につなげたい」と話しています。