細胞の増殖を血液で確認できるマウスを開発 東北大

体の中で特定の細胞がどれだけ増殖しているかを血液を調べるだけで確認できる実験用のマウスを、東北大学の研究グループが開発しました。糖尿病の治療薬やがんの増殖を抑える物質の開発などに役立つと期待しています。

東北大学大学院医学系研究科の今井淳太准教授のグループによりますと、病気の治療法の開発には、特定の細胞の増殖を抑えたり、逆に促したりする物質を調べる必要がありますが、体内で細胞がどれだけ増殖しているかを確認するには、これまで複数のマウスの臓器を取り出して顕微鏡で観察するなどの方法がとられていました。
そこで研究グループは、特定の細胞が増殖すると「ルシフェラーゼ」と呼ばれる酵素が作られ、血液に含まれるその量を調べるだけで増殖の程度を確認できる実験用のマウスを開発したということです。
これにより、実験に使うマウスの数を減らせるほか、同じマウスの経過を観察することでより正確なデータが得られると期待され、実際に肝臓の細胞や、インスリンを作るすい臓の細胞が増える様子を確認できたということです。
今井准教授は、「より効率的に研究を進めることができ、糖尿病の治療薬やがん細胞の増殖を抑える物質の開発などに役立つと考えられる」と話しています。