”震災の教訓伝える” 県職員の証言集めた記録誌作成

東日本大震災の経験や教訓を伝えようと、宮城県は、当時、対応にあたった職員の証言を集めた記録誌を作成しました。

「みやぎの3.11」と名付けられた記録誌は、震災の経験や教訓を伝えるとともに、次の災害への備えに役立ててもらおうと県が企画して作りました。
背景には、震災から12年あまりたち、当時、県庁で働いていなかった職員が4割を超えたことがあります。
対応にあたった600人ほどの職員に聞き取りをした上で証言をまとめていて、当時の幹部の経験を物語形式でつづっている「回顧編」と、実際の経験をもとに初動から復興や伝承まで、62のテーマに分類した「現場編」の2冊で構成されています。
このうち「現場編」では、遺体安置所で遺体の洗浄をしていた警察官を手伝った職員の苦悩や、火葬が追いつかず、仮埋葬で土葬するという苦渋の決断をした経緯などが記されています。
「みやぎの3.11」は県内外の自治体や図書館などに配布されているほか、県のホームページからも閲覧できます。
監修に携わった東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授は、「記録誌には、うまくいった事業と実現できなかったことの両方が書かれているので、これを活用した震災伝承を進めてほしい」と話していました。