原発処理水 “着実な風評対策を” 知事が経済産業相に求める

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐって、宮城県の村井知事は経済産業省で西村経済産業大臣と面会し、海洋放出以外の方法を引き続き検討するとともに、風評対策を着実に進めるよう求めました。

福島第一原発にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について東京電力は、政府の方針に従って基準を下回る濃度まで海水で薄めたうえで、ことし夏ごろまでに海に流す計画で、準備は最終段階に入っています。
こうしたなか宮城県の村井知事は、経済産業省を訪れて西村経済産業大臣と面会しました。
村井知事は「最近の漁業はよい状況になっていて、そうしたなかで処理水を放出することになると風評被害が非常に心配されている」と述べました。
その上で、海洋放出以外の処分方法を引き続き検討することや、風評対策を着実に進め、風評被害が起きた場合には東京電力に対して迅速かつ適切な賠償を指導することなどを求めました。
これに対して西村大臣は「処理水の放出は廃炉を着実に進めていく上で避けては通れない課題だ。安全性を確保した上で、地元の切実な声も踏まえて対応していきたい」と述べました。
このあと村井知事は記者団に対し「海洋放出は政府が定めているので止められないが、問題が発生した時にただちに止めるよう働きかけることは重要だ。風評被害を何より恐れているので、万が一、被害が出たときには政府をあげて補償してもらえるよう汗をかいていく」と述べました。