伝統の「正藍冷染」 亡き母から技法受け継ぐ 栗原市栗駒

栗原市栗駒に伝わる伝統の藍染め「正藍冷染(しょうあいひやぞめ)」では、先月、伝承者の千葉まつ江さんが亡くなり、ことしの染めの最盛期はまつ江さんから技法を受け継いだ長男の正一さんが作業を行っています。

「正藍冷染」は、天然の藍に熱を加えず、常温で発酵させて染料に使う藍染めの方法で、栗原市栗駒の千葉さんの工房で代々受け継がれてきました。
毎年この時期は、染料の発酵に適した気温になり染めの作業の最盛期ですが、ことしは、3代目で県無形文化財の保持者に指定されていた千葉まつ江さんが先月25日、93歳で亡くなったため、7年ほど前から母の技法を受け継いでいた長男の正一さんが作業を行っています。
正一さんは19日も、模様をのり付けした反物を藍の染料液に浸して染め上げていて、染めた反物は、のりや染料を川で洗い落としてから陰干しすると、鮮やかな藍色に仕上がるということです。
正一さんは「ことしも綺麗に染め上がりました。伝統の藍の色を守っていくことが、母の望んでいることだと思います」と話していました。
工房の染めの作業は来月中旬ごろまで続けられるということです。