仙台駅東口に複合ビル開業 家電量販店・高速バスターミナルも

再開発が進む仙台駅東口に家電量販店やオフィスなどが入る複合型の商業ビルが2日に開業し、開業前から多くの人が並んでいました。

新たに開業した「ヨドバシ仙台第1ビル」は、ヨドバシカメラなどを展開するヨドバシホールディングスがJR仙台駅東口に建設した地下1階・地上12階建ての複合型の商業ビルです。
ビル全体の延べ床面積は7万6500平方メートルで、2階から4階にはヨドバシカメラが近くのビルから移転し、面積はおよそ1.5倍に拡大しました。
また、5階には大手衣料品チェーンなど11店舗が出店し、このうちアミューズメント施設には0歳から小学2年生までの子どもが遊べるボールプールなどの遊び場が設けられています。
保育士の資格などを持ったスタッフが常駐しているため、3歳以上であれば、子どもだけでも利用できるということで、保護者は子どもが遊んでる間にゆっくりと買い物を楽しむことができます。
このほか、ビル1階の東側には高速バスのターミナルが新たに整備されたほか、中層階は駐車場、高層階はオフィスフロアとして利用されます。
初日の2日は午前9時半の開業前から大勢の人が並んでいました。
1歳の娘と買い物に訪れた20代の母親は「買い物の途中でぐずって大変な時もあるので、遊び場があると子どもも飽きず助かります」と話していました。
ヨドバシカメラマルチメディア仙台店の原雄一店長は「開業は予定よりも少し延びましたが、多くのお客様からの温かい言葉が励みになって無事にオープンできました。東口だけではなく仙台駅前全体の活性化に貢献していきたい」と話していました。

【再開発進んだ仙台駅東口】
複合型の商業ビルがオープンしたJR仙台駅東口は、ここ10年ほどの間に商業施設やホテルが相次いで建設されるなど再開発が進められてきました。
東北の経済に詳しい七十七リサーチ&コンサルティングの首席エコノミスト、田口庸友さんによりますと、JR仙台駅周辺の再開発はもともと西口が中心だった一方、東口は空き地が多く開発の余地はあったもののなかなか進まなかったということです。
しかし、2015年に仙台市地下鉄東西線が開通し、よくとしの2016年には東口と西口を結ぶ東西自由通路が拡張されるなど交通アクセスがよくなったことに加え、商業施設やホテルが次々とオープンしてにぎわいが生み出されました。
こうした背景の中、また新たに複合型の商業ビルがオープンしたことについて、田口さんは「本格的な『アフターコロナ』がスタートし、仙台のまちづくりやにぎわいも本格化したタイミングでオープンが重なったので、人の流れの回復への期待感は高い」と話しています。
そのうえで「東口と西口を合わせて人の流れが活発になり、相乗効果が期待できる。これをきっかけに市内中心部の活性化につながるのでないか」と話しています。