石巻 大川小学校 遺族などが手作りした追悼の竹あかり
震災で多くの児童らが犠牲になった石巻市の大川小学校では、遺族などが手作りした竹の灯籠にあかりがともされ、祈りがささげられました。
石巻市の大川小学校では12年前の震災で児童と教職員あわせて84人が犠牲になりました。
竹の灯籠にあかりをともす取り組みは、児童の遺族などが鎮魂と震災の風化を防ぎたいという願いを込めて、去年から行っていて、ことしは遺族のほか県内外から竹灯籠の制作に参加しました。
11日は震災遺構の校舎近くの広場に当時学校に在籍していた児童の数と同じ、108本の竹の灯籠が円形状に並べられました。
そして、午後5時45分ごろ、灯籠の中に通されたLEDが点灯されると、竹にあけられた穴から光が漏れ、幻想的な雰囲気に包まれ、集まった人たちは、灯籠の写真をとったり、あかりをじっくりと眺めたりしていました。
今回のプロジェクトの共同代表を務め、大川小学校で当時6年生だった三男を亡くした佐藤和隆さんは「きょうという日は、多くの人にとって特別な日です。改めて12年前の災害を振り返る機会にしてもらえればと思います」と話していました。
また、共同代表で、当時6年生だった次女を亡くした佐藤敏郎さんは「『お父さん、きれいだね』と言ってくれていると思います。自分の家族や未来のことを思い巡らせる、そんな時間にしたいです」と話していました。
仙台市から訪れた40代の女性は「去年来たときよりも人が増えていて驚きました。亡くなった方へささげる竹の光が多くの人の心を打っているのかなと思います」と話していました。
仙台市の19歳の大学生は「今回竹あかりの制作に参加して、まずは無事完成してよかったです。町がきれいになるとどうしても昔の歴史を忘れてくると思うので、若い世代がこういう催しに参加して後生に伝えていければと思います」と話していました。
石巻市の50代の男性は「13回忌になりますが、変わらない思いはずっと続いているんだと感じました。この悲劇を繰り返してはいけないということと忘れてはいけないということを改めて感じました」と話していました。