生徒14人犠牲の閖上中学校 当時の教諭が慰霊碑に祈り 名取

津波で生徒14人が犠牲になった名取市の閖上中学校の慰霊碑では当時の教諭で今は再建された学校で校長を務める男性が、3月の定年退職を前に祈りをささげました。

名取市の閖上中学校では震災の津波で帰宅した生徒ら14人が犠牲となり、5年前、小中一貫校として再建された学校の敷地内に慰霊碑が設置されています。
発災当時、閖上中学校の教務主任だった八森伸さん(60)は、生徒に津波の恐ろしさを教えてこなかったことを後悔し、再建された閖上小中学校に初代校長として赴任して防災教育に力を入れてきました。
八森さんは、毎年、3月11日に慰霊碑を訪れていて、11日も慰霊碑の前に来ると刻まれた1人1人の名前をなでたあと、手を合わせて祈りをささげました。
このあと、集まってきた当時の教員や遺族、卒業生たちとともに、風船に、亡くなった子どもたちへのメッセージを書いて飛ばしました。
八森さんは、今月で定年退職となり、生徒を守る校長の立場としては、最後の3月11日になるということです。
八森さんは「自分の命は自分で守ることをこの5年間伝えてきてそれは今の生徒には伝わったと思っている。ただ、亡くなった14人のことは生きたかったのに命を守ってあげられなくてごめんねと伝えた」と話していました。