年末年始におすすめの本 出版社の編集者が紹介

仙台市にある出版社の編集者たちが、年末年始に読むおすすめの本を紹介するイベントが22日夜、開かれました。
このイベントは、ベストセラーにならなくても、おもしろい作品があることを広く知ってもらおうと、仙台市にある出版社の編集者たちが開いたもので、会場となった市内の商業施設にはおよそ20人が参加しました。
イベントでは、編集者がことし読んだ中からおすすめの本を紹介しました。
その中では、まず、先日、芥川賞にノミネートされた「荒地の家族」が紹介されました。
この作品は、東日本大震災から10年以上がたった宮城県を舞台に、主人公である40代の男性の視点で日々の生活の様子が描かれています。
イベントでは、作者が仙台市在住の佐藤厚志さんで、市内の書店で働いていて、芥川賞を受賞することを期待していると紹介していました。
また、ドイツ人の女性作家、マリー・ルイーゼ・カシュニッツの短編集、「その昔、N市では」も紹介されました。
この作品は、部屋に突然、大きな鳥が現れるといった日常に忍び込む幻想や人間の心理の闇を描いたもので、この本を選んだ編集者は「この作品はSFのようでもあり、ミステリアスで怪奇・幻想的でもあり、とてもおもしろかった」と話していました。
会場を訪れた50代の女性は、「とてもいいイベントでした。年末年始はコロナのこともあり、なかなか外に出られないので、本を読んで過ごそうと思います」と話していました。