下水で感染予測の研究拠点 東北大学に15日から設置
家庭などから出る下水に新型コロナウイルスなどがどれほど含まれているかを調べ、感染状況の予測や対策に役立てるための研究拠点が東北大学に設けられました。
東北大学に15日に設けられたのは「下水情報研究センター」です。
中心的な役割を担う東北大学大学院工学研究科の佐野大輔教授のグループは、新型コロナの感染者の排せつ物にウイルスが含まれることに着目し、仙台市内の家庭などから出た下水を分析してAI=人工知能によって、今後の感染者数を予測しています。
新型コロナの流行前から食中毒の原因となるノロウイルスについて分析し、基準を上回った場合、仙台市と連携して住民に注意を呼びかけ、一定の成果が出ているということです。
佐野教授によりますと、全国のほかの自治体からも問い合わせが増えているということで、今後、ほかの地域についても予測できる方法を検討し、精度も高めていきたいとしています。
また新型コロナの感染症法上の分類が見直された場合、流行状況の把握が遅れるおそれがあり、下水による分析はニーズが高まる可能性があるとしています。
佐野教授は「これまで培ったノウハウを広めていくとともに、有効な対策に生かせるよう精度を高めていきたい」と話しています。