音声で道案内「ことばの地図」仙台でもサービス提供へ

目が不自由で地図を読むのが難しい人が、自分で目的地に到着できるよう、道のりを音声で案内するサービスが仙台市で始まることになり、関係者が実際にルートを歩いて調査しました。

「ことばの地図」というこのサービスは東京のNPOが制作していて、特定のスタートからゴールまでの道のりをスマートフォンのアプリを通じて音声で案内します。
目が不自由で地図を読むことが難しい人に役立ててもらおうと、首都圏を中心におよそ2900のルートで公開されていますが、これまで東北地方にはなく、今回、仙台市で初めてサービスが提供されることになりました。
5日は、NPOのメンバーで、目が見えない人と見える人が一緒になって、JR仙台駅から地下鉄に乗って勾当台公園駅へ向かうルートを調査しました。
調査では、点字ブロックに沿って実際に歩きながら距離を測り、ブロックが分岐するたびに方向を確認して、「右3時の方向へ7メートル進む」などと詳しく記録していました。
また、「人が立っていることがある」とか、「自動扉があるものの開けっぱなしになっている」といった地図だけでは分からない現場の情報も書き込んでいました。
調査にあたった目が見えないメンバーは、点字を使った視覚障害者向けの案内図が設置されているのに、音声で場所を知らせていないため、あることに気づかないと指摘し、案内図の場所も盛り込むことになりました。
仙台市で初めての音声による道案内、「ことばの地図」は、5日の調査を基に、今年度中に公開される予定です。
制作にあたるNPOの理事長で全盲の市川浩明さんは、「視覚障害者は全国どこにでもいますが、環境の面で地域差があると思っています。東北で第一歩を踏み出すことができたので、視覚障害者が好きなときに1人で自由に歩いていける環境を目指したいです」と話していました。