SNSで依頼 柴田町の殺人事件で被告が無罪を主張

おととし、柴田町の74歳の男性が殺害された事件で、SNSを通じて面識のない男に殺害を依頼したとして殺人の罪に問われている29歳の被告の裁判がはじまり、被告側は、被害者の長男に危害を加えるよう依頼はしたが、殺害を依頼していないとして無罪を主張しました。

山元町の岩見尭明被告(29)は、SNSで氏名不詳の人物を通じて、面識のない愛知県の森満受刑者(46)に依頼し、おととし9月、柴田町北船岡の毛利哲雄さん(当時74)を刃物で刺して殺害したとして、殺人の罪に問われています。
3日に開かれた初公判で、岩見被告は「私は殺人などやっていません」と述べ、無罪を主張しました。
続いて、検察は冒頭陳述で、「被告は被害者の長男に109万円をだましとられていた。その復しゅうのために、ネット上で『殺人依頼』と書かれたSNSのアカウントを見つけ、アプリで氏名不詳の人物と連絡をとり、長男の殺害を依頼した」などと主張しました。
これに対し、弁護士は、「氏名不詳の人物にお金の回収や長男に危害を加えるよう依頼はしたが、殺害を依頼していない。また、森受刑者は、長男ではないと知りながら被害者を刺していて、その行為は被告の依頼に基づくものとは言えず、法的な責任はない」などと主張しました。
この裁判は今月13日まで審理が行われ、25日に判決が言い渡される予定です。
殺害を実行したとして殺人の罪に問われた森満受刑者(46)については、ことし5月に懲役19年の判決が言い渡され、その後、確定しています。

【事件の概要】
事件が起きたのは、おととし9月。
柴田町の自宅の玄関先で、毛利哲雄さん(当時74)が胸などを刃物で刺されて死亡しました。
事件からおよそ4か月後の去年1月、岩見尭明被告(29)と愛知県の森満受刑者(46)が逮捕され、その後、殺人の罪で起訴されました。
懲役19年の判決が確定した森受刑者の裁判によりますと、事件のきっかけは、岩見被告と毛利さんの長男との金銭トラブルだとみられています。
恨みを抱いた岩見被告が、SNSを通じて「何者か」に長男の殺害を依頼。その「何者か」が仲介して、ネット上で高収入の仕事を探していた森受刑者に、500万円の報酬で長男の殺害を指示したということです。
やりとりに使われたのは、一定の時間が経過するとメッセージが消去される機能がある「テレグラム」というSNSでした。
その後、森受刑者は「玄関から出てきた人を刺せばよい」などと指示されて犯行に及びましたが、殺害したのは長男ではなく、毛利さんでした。
殺害を依頼した岩見被告と実行した森受刑者に面識はなく、SNS上のやりとりだけで毛利さんが殺害された事件だとされています。