ストーリースキー

17歳で迎える夢の大舞台で金を モーグル 川村あんり 選手

2021-02-10 午後 07:00

冬のオリンピックの名場面、どんなシーンを思い浮かべますか?私は小学生の時にテレビで見た長野オリンピック、スキーモーグルに18歳で出場し7位入賞を成し遂げた上村愛子さんの周囲を明るく照らした笑顔です。

 

 

その“上村愛子さん2世”とも呼ばれているのが長野オリンピックから6年後に生まれた16歳の高校1年生、川村あんり選手。

 

2019年、中学3年生で初出場したワールドカップで2位に入りいきなり表彰台に立ちました。上村さんが初めて表彰台に上がった高校1年生よりも早く世界のトップ選手に名を連ねました。来年の北京オリンピックでニューヒロイン誕生の予感・・。

注目の選手は今どきの高校生

 

 

「あまり自分の笑顔は好きじゃない」こう言って笑って見せた川村選手。明るく自然な笑顔が引きつけます。

 

シーズン中の多くはワールドカップの参戦で世界中を転戦。学校に通えず抱くさみしい思いは活躍するたびに送られてくる友人のメッセージで癒やされています。

「みんな優しいメッセージを送ってくれるので、つらくなったときに見返して“頑張ろう”と改めて思えます」

 

 

メークや動画共有アプリ「TikTok」の撮影が大好きな今どきの高校生。今シーズンは3試合連続で表彰台に立ちました。

持ち味は安定感抜群のターン

 

川村選手はスキーをしていた祖父の影響を受け、4歳でモーグルを始めました。最大の持ち味は幼いころから得意だったという正確なターン。

 

 

モーグルは華やかな「エア」に注目が集まりがちですが、得点の半分以上、実に60パーセントをターンが占めています。こぶのない斜面で基本的なターンをひたすら繰り返すことで、レベルの高い安定感抜群の技術を身につけました。

 

他の選手からもターンをほめられることが増えたし、自分でも自信を持って滑れるようになったので練習の時も楽しい。今は大変な状況だが自分ができることをしっかりやって自分でいいシーズンにしていきたい。

世界の頂点を目指すために

上村さんが18歳で初めて出場したオリンピック。川村選手は1つ若い17歳で迎える北京大会での金メダルの獲得へ意気込んでいます。

 

その頂点に最も近いと言われているのが、ピョンチャン大会の金メダリストで、ワールドカップ総合3連覇を果たしたペリーヌ・ラフォン選手です。

 

 

実力と実績十分のモーグル界の女王との差を埋めるために力を入れているのが「エア」

 

これまでは確実に得点を重ねるため、基本的な技で臨むことが多かった川村選手は、難度を上げた“ななめを軸に2回転する”大技「コークセブン」にチャレンジすることにしたのです。

 

その大技を成功させるために取り組んでいるのが『力強い踏み切り』です。これまでは斜面を滑るスピードをうまく利用して跳ぶことでエアをしていたため、「踏み切り」をあまり意識していませんでした。

 

しかし、難度の高いエアを決めるには力強く踏み込んで高く跳び、滞空時間を長くすることが求められます。

 

(2021年2月4日 モーグルW杯ディアバレー大会の川村選手)

 

新たな踏み切りへ取り組んだのがまず下半身の強化でした。去年の夏からおもりを持ったままスクワットやジャンプを繰り返しました。

 

さらに簡単な技でのエアを繰り返し力強い踏み切りを体に覚え込ませました。こうした地道な練習の成果が現れ始めたのはことしの元日、雪上で初めて大技に挑戦した時でした。

 

しっかり前を向いて着地できたし、踏み切りも意識してやることができている。今シーズン大会の数も少ないので、その中で新しいことにチャレンジするということが本当に大切だと思う。

明るく!前向きに!

チャレンジ精神を失わない川村選手、練習中では決して下を向きません。壁にぶつかった時、滑りに疑問が生じた時には若さを生かし、すぐ行動に移します。

 

その場で、コーチに質問し確認するだけでなく、ゲレンデでスキーを履いたまま日本のエース 堀島行真選手に動画でメッセージを送ってアドバイスを求めたりします。

 

今シーズンからはいろいろな人の意見を聞いて新しいことにチャレンジして必要なものを取り入れていくという方針にしている。ネガティブになりそうになったら自分の滑りの良さなどを振り返ってポジティブに作り直す。そうしたことが競技にいい影響が出ている。

大舞台で金メダルを

前回のピョンチャン大会。オリンピックは遠い存在だと感じていたという川村選手。今では、はっきりと大舞台を見据え華やかな表彰式で笑顔を見せる未来の自分の姿を思い浮かべています。

 

 

楽しんで滑るというのをしっかり出せば結果もついてくると思うので、まずはベストな滑りをするという目標で頑張りたい。初めてのオリンピックで金メダルをとりたい。

この記事を書いた人

画像alt入ります

沼田 悠里 記者

平成24年 NHK入局。金沢局、岡山局を経てスポーツニュース部。プロ野球・DeNAを2年間担当したあと、ウインタースポーツとソフトボールを取材。

関連キーワード

関連トピックス

最新トピックス

RANKING人気のトピックス

アクセス数の多いコンテンツをランキング形式でお届け!