ストーリー野球

野球日本代表 稲葉篤紀監督 1年延期で新戦力をどう見たか

2021-01-15 午後 07:30

東京オリンピックで金メダル獲得を託された野球日本代表の稲葉篤紀監督。1年延期によってメンバー選考の練り直しを余儀なくされた。日本代表が1年以上、実戦から遠ざかる中、急成長をみせた若手選手たちをどう評価したのか。

チームを作り直す

稲葉 監督

プレミア12からすごく順調に来ていましたので、このまま順調にいってくれればという思いもありました。そこから代表のユニフォームを着て選手が集まれるチャンスがいつあるかわからないという状況になり、どういうチームになるんだろうという不安もありながら去年は過ごしていました。

 

おととし11月の国際大会「プレミア12」で稲葉監督は“スピード&パワー”をテーマに掲げ、日本を世界一に導いた。それから1年余り、プロ野球の勢力図も変化している。稲葉監督は去年は新型コロナウイルスの感染防止のため球場での視察を見合わせ、自宅で映像を見て選手をチェックしてきたという。

稲葉 監督

チームをもう一度見直さなければいけない状況に来たなと考えています。いかに新しい選手が出てきて、プレミア12で戦った選手以上のものを出してくれるか、そこを楽しみに見ていましたね。

 


プレミア12では代走専門だったソフトバンクの周東佑京選手。昨シーズン後半は日本一のチームで1番に定着し、バッティングや守備でも成長を遂げた。スペシャリストの枠を越え、代表でもレギュラーを狙える存在になっていると稲葉監督は見ている。

稲葉 監督

オリンピックではなかなか代走選手だけでは呼べない中で、彼は(ソフトバンクで)スタメンを勝ち取りましたし、日本シリーズでも1番を打って、短期決戦の経験もできましたし、非常に大きな戦力になってくるのではないか。

投手陣の新戦力は

日本の強みである投手陣は昨シーズン、不調や故障に苦しむ投手が相次いだ。プレミア12で抑えを務めたDeNAの山﨑康晃投手は調子が上がらず2軍に降格。

 

先発の一角だったDeNAの今永昇太投手は左肩のクリーニング手術を受け、盤石のリリーフを見せたソフトバンクの甲斐野央投手はけがで登板なしに終わった。それでもオリンピックの1年延期によって、新たな戦力の発見もあった。

 

 

ソフトバンクの石川柊太投手。最多勝と最高勝率のタイトルを獲得し、日本シリーズでも好投した。

稲葉 監督

ちょっと腕が遅れてきてタイミングをずらすことができる。ああいうピッチャーはなかなか初見では打ちづらいだろうなと感じています。(代表では)先発なのか中継ぎなのかというところも含めて考えていくと思いますね。

 

 

新人王の広島 森下暢仁投手。1年目にして10勝を挙げ防御率1点台をマークした。

稲葉 監督

緩いカーブを扱える選手。国際大会の中で緩急は非常に大事になってくる。1年延期になったことで若い選手はどんどん経験できますから、悩みの種になるでしょうね、いろいろ。

代表ならではの視点も


一方、シーズンで好成績を残した選手でも、代表ならではの視点で慎重に見極める必要があるという。巨人の岡本和真選手は代表で選手層が薄いサードで、ホームラン王と打点王に輝いた。しかし日本シリーズでは13打数1安打に抑えられた。

稲葉 監督

短期決戦でなかなか自分の思うような成績を残せなかった。やっぱり日本代表も短期決戦になる中で、あの悔しさの中からどう成長していくかを見ていきたい。

 

稲葉監督は去年12月、代表コーチ陣と会議を開き、候補選手180人以上をリストアップした。オリンピック直前まで代表の活動がない中、5月末から6月初旬にメンバー24人に絞り、7月上旬に最終決定を行う予定だ。

 

稲葉 監督

もう選手を試すことができませんので、ぶっつけ本番になりますから。ことしはやっぱりもう一度結束力というものを強く持って、選手にもそれを伝えていきながら、いいチームをどうやって作っていくかが大事。

 

オリンピックの開催にいろんな賛否はありますが、やる意義や責任をしっかり感じなければいけない。やるからには絶対に金メダルをとって、みなさんに元気を与えられたらと思います。

この記事を書いた人

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杉井 浩太 記者

平成20年NHK入局。富山県出身。
新潟、横浜局を経てスポーツニュース部。ヤクルト、日本代表、NPBを取材中。

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