ストーリー水泳

競泳日本選手権 異例の大会が来年の力に

2020-12-07 午後 07:15

東京オリンピックの会場を舞台に行われた競泳の日本選手権は、4日間の戦いを終えて幕を閉じました。

 

新型コロナウイルスの影響で8か月の延期を余儀なくされ、異例の12月開催となりましたが、有力選手を中心に好記録が出た種目もあり、来年の本番に向けて貴重な実戦の場となりました。

異例の大会 手応えつかんだ選手も

 

例年であれば、12月はトップスイマーたちが次のシーズンに向けてそれぞれの課題克服や持ち味を磨くためのトレーニングに取り組み始めている時期です。

 

そのため、自分自身の強化スケジュールに影響が出ないように、今回の日本選手権に調子のピークを合わせる調整を行わない選手もいました。

 

また、一部のトップ選手たちは直前にハンガリーで行われた国際リーグに参加したため、帰国から2週間ほどで大会を迎え、疲労が抜けきらず万全のコンディションではありませんでした。

 

そうした中、来年4月のオリンピック代表選考会や本番を見据えて異例の時期に行われる実戦をトップスピードで泳ぐ貴重な機会と捉えた選手たちは一定の手応えをつかみました。

 

 

男子200メートル平泳ぎで優勝した去年の世界選手権の銅メダリスト、渡辺一平選手は自身の日本記録に、あと0秒41にまで迫る好タイムをマークしました。大会期間中であってもコンディションの調整は行わず、レースがない日は練習拠点でトレーニングしていたという状況での今シーズンのベストタイムでした。

 

 

さらに、長く不振に苦しんでいた萩野公介選手も個人メドレー2種目で優勝し、復活に向けて力を取り戻しつつあることを印象付けました。

東京五輪イメージ出来た

 

東京オリンピック本番の会場となる東京アクアティクスセンターで選手たちが初めて泳ぐことが出来たことも大きな収穫でした。

 

大会3冠に輝いた松元克央選手は、東京オリンピックで金メダル獲得を狙う男子200メートル自由形の決勝の際、来年のオリンピックをはっきりとイメージして臨んでいました。世界のライバルに勝つために前半から積極的に仕掛ける泳ぎを実行しその感覚をつかんで、ここから本格化する冬場の泳ぎこみに向け決意を新たにしていました。

 

 

競泳日本代表の平井伯昌ヘッドコーチは今回の大会の意義について「レベルの高い記録で泳ぐ選手も多数出て、成功だったといえる。強化を続けながら出場した選手も多い中、その途中経過をこの場所で確認できたことは絶対に次につながる」と話しています。

 

そのうえで、今後は来年4月のオリンピック代表選考会に向けて、選手の調子を段階的にあげていくため、来年2月に予定されているジャパンオープンを次の目標と設定する考えを示しました。

 

新型コロナウイルスの影響で、一から強化スケジュールの見直しを迫られてきた日本競泳陣にとって異例の12月に行われた日本選手権は来年の東京オリンピックに向けた新たなスタートラインとなりました。来年の春の代表選考会で冬場のトレーニングを乗り越え進化を遂げた選手たちの姿が今から楽しみです。

この記事を書いた人

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安留 秀幸 記者

平成22年 NHK入局 北九州局からスポーツニュース部へ 競泳を担当して3年目、メダルラッシュが期待される選手たちを追いかけて国内外問わず取材に邁進中。

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