ストーリーテニス

テニス 杉山愛さんの『教えて!アスリート』

2020-05-20 午前 10:57

皆さんからの質問にアスリートが答える「教えて!アスリート」。
今回は、テニス編。
元プロテニスプレーヤーで四大大会のダブルスで優勝経験がある杉山愛さんが答えてくれました。

 

テニスの質問をくれたのは小学校4年生の山本言葉さんです。


山本言葉さん

テニスの試合で負けそうになった時、どうすれば気持ちを落ち着かせることができますか。
いい方法があったら教えてください。

 

杉山愛さん

負けそうになった時、もう元気がなくなってしまうのか、それとも焦ってしまうのか、いろいろな心の持ち方によって反応が変わってくると思います。
私なんかは、勝ちが近づくと逆に緊張しちゃって“勝ちびびり”して、なかなか自分の今までやっていたことができなくなるというタイプだったんですが、いくつか紹介したいと思います。

 

負けそうになった時、2つパターンに分けてアドバイスをくれました。

①落ち込んでしまう時は『行動』からポジティブに

杉山愛さん

まず、相手にリードされることによって気持ちが落ち込んでしまう、元気がなくなってしまう場合について。肩を落としたり、ラケットをひきずってみたりと、見ていても元気がない、「この子頑張れそう」とは周りから見られないじゃないですか。そうすると相手に勇気を与えてしまう。最後まで食らいつく気持ち、「よしやってやる」っていう気持ちが相手にプレッシャーを与えることにもつながると思うので、フィジカル的にわざと元気を出す。例えばジャンプをしてみたり、ガッツポーズ、自分を元気づけてあげるようなジェスチャーを取り入れる。
大坂選手も構えているときにももをたたいたり、うまくいかない時にニコッてあえて笑ってみるっていうことを取り入れているんですけど、意外に心って外側からあえて動作的に元気な要素を取り入れることによって引き上げられるっていうことがあると思うので、取り入れていろいろやってみてもらいたいなと思います。

②緊張してしまう時は『呼吸』を大事に

杉山愛さん

負けてしまうのがイヤで緊張してしまうパターンもあると思うんですけれども、そういうときはどうしても体の動きが小さくなる、そして呼吸が浅くなる。
呼吸が浅くなると、あんまり考えられない。いろいろなネガティブな面がでてきていますので、その時はしっかりと深呼吸、ひとつでもふたつでも大きい呼吸をしてみる。
あとは、緊張してしまうと早くポイントが欲しくなったりして、もう自分のプレーではなくてすぐに攻めてしまったりするんですね。
ではなくて、じっくり行こうって自分に冷静に言い聞かせてみたりすることも必要です。

実際に自分がどういう反応しているかっていうのを整理することによって、それを元気な方向にもっていく、冷静にプレーできるようにもっていく、というのがひとつ重要なところかなと思います

ルーティンは33個 最も大事にしていた『呼吸法』

 

杉山さんは現役時代、長い海外遠征中で自分の心をコントロールするため、『ルーティン』(習慣的に行うこと)が23個あったといいます試合の日には33個にも増えました。
その中で、今でも行っているのが『呼吸法』です。
朝30分と夜30分、腹式呼吸をゆっくり行うことを続けてきたそうです。

杉山愛さん

丹田(おへその下あたり)を意識しながら腹式呼吸ができたら、今度そこに良いイメージ、例えば自分がやりたいプレーだったりをあわせてイメージトレーニングをしていく呼吸法をやってたんですけど、それをやり始めてからすごく自分の調子もよかったですし、気持ちのコントロールがかなりしやすくなったので、試合の中でも呼吸をしやすくなって、これは今でも続けている唯一のルーティンかなと思います。

 

今こそ『ルーティン』で落ち着いた心を

長期間休校が続き、どうしても生活リズムが崩れてしまう今。
杉山さんはぜひ、お子さんたちにも『ルーティン』を大事にして、時間の使い方を工夫して、『自分の気持ちをコントロールする力』を身に着けてほしいとアドバイスをくれました。

杉山愛さん

今回、やっぱりこういう機会なので、自分がどういう風に過ごしていくと心が整うのかというようなものを見つけるいい機会でもあったりすると思います。
小学生も、学校生活があるのとないのでは全然違うと思うんですね。なのでこういったときにどうやって過ごしていったらいいか、お母さんとかお父さんとかがコントロールするのではなくて、自分でスケジュールを立てて、自ら決めればきっとできるんじゃないかなと思うので、工夫して楽しく過ごせる方法を、勉強したり、運動の仕方だったり、過ごし方っていうのを少し工夫すると、また次学校行けるようになった時に生きるかなと思います。

友達と会ったりしたいなっていう気持ちでいっぱいだと思うんですけれども、もうちょっとだと思いますので、ここはみんなで力を合わせておうち時間を工夫しながら過ごしていきましょう。

 

数々の国際大会に出場し、長きにわたり好成績をあげてきた杉山さん。
自分の心をコントロールする試行錯誤が源にあったことを実感しました。

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