ストーリー水泳

競泳日本選手権 勝つのは誰だ!?

2020-12-01 午後 08:30

異例の”冬の陣”見どころは?

新型コロナウイルスに世界が揺れたことし。4月に予定されていた競泳の日本選手権も8か月の延期を余儀なくされ、12月3日から4日間の日程で開催されます。


会場は来年の東京オリンピック本番の舞台となる東京アクアティクスセンターです。

 

 

例年ならば次のシーズンに向けたトレーニングをみずからに課す選手が多い冬のこの時期に行われる日本一決定戦。来年4月に行われるオリンピック代表選考会の前哨戦となる大会の見どころは?

王者復活の道筋は? 萩野公介(男子400m個人メドレー)   

 

暗く長いトンネルを走り続けてきた第一人者は今回の日本選手権に向けた意気込みを聞かれると「楽しみです」と力強く言い切りました。

そのことばの主は、萩野公介選手。大会初日、12月3日の男子400m個人メドレーにリオデジャネイロオリンピックの金メダリストが出場します。

 


萩野選手は去年、極度の不振から「水泳がつらい」と言うほど追い込まれて休養を決断。その後、レースに復帰しましたが調子を取り戻すことはできず、不本意な結果が続いていました。

 

東京オリンピックの延期決定後には「ことしの春は、やはり100%ではない状態だったので、時間をもらったというのが1番にある。1年延びたからこそ、できることが必ずある」として延期によって本来の泳ぎを取り戻すために時間的な猶予を得たことを率直に認めていました。

 

 

そんな萩野選手の復調の兆しを感じさせるレースがこの秋にありました。それが10月から11月にかけてハンガリーで行われた競泳の国際リーグ。


世界のトップ選手たちが10チームに分かれて25mの短水路のプールで争う団体戦で、萩野選手は日本のトップ選手などとともに初めて出場しました。


3週間あまりの間に5試合をこなすハードスケジュールに加え、新型コロナウイルスの感染防止対策として外出なども制限される慣れない環境の中で、萩野選手は得意の400m個人メドレーに5回出場しタイムは自己ベストから5秒ほど遅いもののいずれのレースも1着と勝負強さを見せました。

 

 

国際リーグを終えて萩野選手は
「勝ち続けることで自信をつけられた部分もある。いまは試合への不安や恐怖心はない」としたうえで、今回の日本選手権について「楽しみです」と言い切りました。
萩野選手の目標は、あくまで来年のオリンピックですが、その過程で復活の糸口を探る第一人者がどのような泳ぎを見せるのか、目が離せません。

恩師のことばを力に変えて~松元克央(男子200m自由形)

 

23歳の松元克央選手は「こういう時に、人間の本性が出るんだぞ」という70歳の恩師のことばにみずからを奮い立たせました。
去年の世界選手権の男子200m自由形で日本選手初となるメダル、それも銀メダルを獲得した松元選手は世界の選手層の厚いこの種目で、東京オリンピックのメダル候補と呼ばれるまでに成長しました。

 


しかし、上り調子だった松元選手は目前に迫っていた大舞台が延期となり、頭では「しかたの無いこと」と理解はしていたものの心は受け止めることが出来ず、練習を再開してもプールに足が向かない日もありました。そんなときに、ことし70歳を迎えた鈴木陽二コーチが投げかけたのが「こういう時に人間の本性が出る」という冒頭のことばでした。このことばを支えに松元選手はもう一度、目の前にある課題を1つずつクリアすることに集中しトレーニングを重ね着実に力をつけてきました。

 

この秋には出場した短水路のレースで200m自由形の日本記録を立て続けに更新するなど、本来の力強い泳ぎをみせています。日本選手権に向けては「大会に出られる感謝の気持ちを忘れずに結果を残したい」と話す松元選手、大会2日目男子200m自由形に出場します。

日本のお家芸”真のエースは俺だ”(男子200m平泳ぎ)

大会最終日となる4日目、12月6日には今大会もっとも激しい競り合いが予想される男子200m平泳ぎが行われます。注目は、この種目のオリンピック代表枠「2」を巡る争いです。

 

 

北島康介さんの引退後、この日本のお家芸とも言われる種目を引っ張ってきたのは前の世界記録保持者で自己ベスト2分6秒67の渡辺一平選手と100m平泳ぎの日本記録保持者で、自己ベスト2分7秒02の小関也朱篤選手の2人。

 

 

そこに、ことし1月のレースで渡辺選手を破るなどこの1年で一気にタイムを伸ばしてきた大学生で、自己ベスト2分7秒02の佐藤翔馬選手が名乗りを上げました。

 


3人はまず、大会初日の男子100m平泳ぎに出場する予定です。ここで好調な泳ぎを見せた選手が、そのまま200mも制するのか、それともほかの選手が意地を見せるのか。来年4月の代表選考会を前にした真剣勝負の場での三つどもえの争いは競泳ファンならずとも見逃せません。

この記事を書いた人

画像alt入ります

安留 秀幸 記者

平成22年 NHK入局 北九州局からスポーツニュース部。競泳担当。メダルラッシュが期待される選手たちを追いかけて取材に邁進中。

関連キーワード

関連トピックス

最新トピックス

RANKING人気のトピックス

アクセス数の多いコンテンツをランキング形式でお届け!