ストーリー野球

ソフトバンク 栗原陵矢 日本シリーズで活躍のワケは?

2020-11-30 午前 11:00

プロ野球のソフトバンクは、ことしの日本シリーズで巨人に4連勝して日本一。パ・リーグでは史上初めての4年連続日本一です。

 

圧倒的な強さを見せつけたチームでひときわ強い光を放ったのはシリーズのMVP=最高殊勲選手に選ばれた6年目の栗原陵矢選手でした。

CSでの悔しさを糧に

栗原 選手

 

ふだんと変わらず打席に入ったが、自分の思うような結果が出ず、苦しかった。

 

ソフトバンクは1勝のアドバンテージを持って臨んだクライマックスシリーズを2連勝で突破し、日本シリーズ進出を決めました。歓喜の輪の中、1人悔しさをにじませていたのが栗原選手です。

 

栗原選手は、今シーズン120試合のうち118試合に出場。打率2割4分3厘、打点73、本塁打17本はいずれも自己最高の成績で、チャンスでの強さも光りました。

 

ところが、クライマックスシリーズでは2試合で5打数ノーヒット。中村晃選手や松田宣浩選手など、経験豊富な中堅やベテランが活躍し、チームは日本シリーズに進みました。

 

日本シリーズ開幕の前日、第1戦、2戦が行われる大阪での調整を終えた栗原選手は「やれることはやった」とすがすがしい表情でした。

栗原 選手

打てるにこしたことはないが、前のことを引きずってもいい結果は出ない。切り替えていきたい。いっぱいご飯を食べて、いっぱい寝ます。

日本シリーズで覚醒!

(日本シリーズ第1戦 栗原選手 先制のツーランホームラン)


第1戦、工藤監督は「経験が大事。打てなかったら起用した監督のせいだと割り切って楽しんでほしい」という思いで、栗原選手を5番・ライトで先発起用しました。

 

栗原選手は最高の形で工藤監督の期待に応えます。2回の第1打席で巨人のエース・菅野智之投手のファーストストライクをとらえて、先制のツーランホームラン。

 

その後も2本のヒットを打って3安打。チームの5得点のうち4点をたたき出す活躍で、勝利を呼びこみました。

 

大きなプレッシャーがのしかかる短期決戦の舞台で本来の調子を取り戻したのです。

栗原 選手

 

シーズン中と変わらず打てるところを待っていた。相手は菅野投手で追い込まれたら厳しくなるのはわかっていた。自分から仕掛けていこうと思っていた。

 

(日本シリーズ第2戦 9回に栗原選手が4安打目)


栗原選手の勢いは翌日の第2戦でも止まらず、4人のピッチャーから4本のヒットを打ちました。チームは13点を取って快勝。2試合で8打数7安打とこのシリーズの行方を決定づける活躍が評価され、栗原選手はシリーズのMVPに選ばれました

復調したワケは!?

なぜ、大舞台で復調を果たすことができたのか。シリーズ2連勝で本拠地への移動日となった、11月23日、栗原選手が話してくれました。

栗原 選手

シーズンの最初は何も考えずに突っ走っていたが、今は『どういうことが必要か』を考えながら備えている。

 

栗原選手は昨シーズンまで、1軍での出場はここ3年の46試合にとどまっていました。このためシーズンを通して戦い抜いたことがなく、調子が落ちたときに、どう修正すればいいのかが分かりませんでした。

 

しかし、118試合に出場した今シーズン、9月は月間打率が1割台とふるいませんでしたが、10月は2割台後半に上げました。そうした修正の成功体験が、11月15日に終わったクライマックスシリーズから21日に開幕した日本シリーズへの立て直しに生きたといいます。

栗原 選手

 

シーズン中、調子が悪いときにあれをやったな、これをやったなと思い返した。

 

 


工藤監督は栗原選手の修正力を高く評価しています。

工藤 監督

やっぱりシーズンを1年間経験してきたというのが大きい。クライマックスシリーズで打てず、『日本シリーズで何とかしたい』という思いが強かった。クライマックスシリーズが終わってからの5日間で、自分なりに考えて頑張ってきた結果が出た。

急成長も「まだ、満足していない」

 

急成長を見せた今シーズンですが、栗原選手は決して満足してはいません。日本一を決めた後の会見では、しっかりと来シーズンを見据えていました。

栗原 選手

今シーズンが始まる前は、まさか自分がここまでできるとは思っていなかった。118試合出られたことは評価できると思うが、成績を見たらもっとやらないといけないし、満足はできない。来年、レベルアップした姿を見せたい。

 

(日本シリーズMVPに選ばれ、笑顔の栗原選手)

 

一方、MVPに選ばれたあとのヒーローインタビューではファンヘの感謝を示しました。

栗原 選手

本当に難しいシーズンではありましたが、ファンの応援がすごく力になり、優勝に結びついたと思います。みなさんに元気を5倍、10倍、50倍、元気100倍、アンパンマン!

 

“アンパンマン”のモノマネは、今シーズン、試合前の円陣でチームを大いに盛り上げました。お茶目な一面も持つ“鷹のアンパンマン”が来シーズン、どんな飛躍を見せるのか、期待せずにはいられません。

 

この記事を書いた人

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福原 健 記者

平成30年NHK入局。1年目に警察担当記者を経て、ソフトバンク担当2年目。趣味はラーメン屋の開拓。

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