ストーリー野球

DeNA・今永昇太「さらなる高みを目指す」

2020-02-18 午前 09:00

プロ野球の担当記者が東京オリンピックの代表候補に注目するシリーズ。5回目はDeNAの今永昇太投手です。昨シーズン、自己最多の13勝をマークしながらも、目指す理想には、「まだ2、3割しか到達していない」とさらなる高みを目指しています。

チームの顔へ ~ぶれない信念を持って~

プレミア12 メキシコ戦

 

去年11月の東京オリンピック前哨戦「プレミア12」。大会期間中、左腕でただ1人先発を任され、2次リーグのメキシコ戦では6回をヒット1本に抑え勝ち星をあげました。日本代表でも活躍し一気に注目が集まりますが、今永投手はキャンプで周囲の声に惑わされることなく練習に打ち込んでいます。

 

今永昇太投手

自分と葛藤してもいいだろうし、それができる唯一の機会。

 

常に自分の体とコミュニケーションを取りながら、なんのためにこの練習をやっているのか、じゃあ、これがどこにつながるのかということを考えながらやっている。

高い向上心は、去年の悔しさが源に

今永投手は昨シーズン、プロ入り後、自己最多の13勝をあげましたが、シーズン後半は息切れし勝ち星を伸ばせませんでした。

 

 

その要因を体力不足にあったと考え、オフの期間も続けていたウエイトトレーニングの量は、キャンプでも大きく変えていません。またブルペンでの投球練習では「試合と同じように疲労がたまった状態で投げたい」とし、第4クールからは走り込みをした後や、前日にある程度の球数を投げた翌日にもブルペンに入る予定です。

これによって、ボールの走りやコントロールにどういう変化が現れるか把握する考えです。加えてブルペンでより意識するようになったのが、ボールを受けてもらったキャッチャーの意見です。これまでは、試合の時と同じように1球1球、狙ったコースに投げられない気が済みませんでした。

 

伊藤光捕手

 

それが伊藤光捕手から「高めにいったとしても空振りやファウルがとれる。変な顔する必要ない」と声をかけられたのです。このことばをきっかけの1つに、ブルペンでの投球練習に完ぺきを求めすぎないようになりました。

 

今永昇太投手

これまでは、インコース低めのいい球で抑えたらうれしかったし、それが理想だと思っていた。ただそれは結果的に1つのアウトでしかない。高めで打ち取ろうが、抜けた球で打ち取ろうがなんでもよし。


だからこそブルペンでは、高めに抜けたからだめということではなく、その次のボールを反省を踏まえ、どういう体の使い方で投げられるかだと思う。

コーチも"精神的な成長を実感"

1つ1つのメニューに意味を持たせようと取り組む姿を見て、木塚敦志投手コーチは今永投手へのアプローチの仕方を変えているといいます。前の年、わずか4勝に終わり、二人三脚で復活を期していた去年のキャンプとは大違いです。ブルペンでの投球練習後もことばを交わすことはあまりありません。

 

木塚敦志投手コーチ

あえて声をかけないようにしている。これまで試行錯誤を続けてきた中でそれが徐々にしっかりと実を結び始めた感じがあるから。その世界観を崩したくない。


もちろん見てない振りして見てるけど(笑)。

 

 

スカウト時代から今永投手を見続けてきた木塚投手コーチ。昨シーズンのよかった時の経験を踏まえ、今永投手がピッチングで何かに迷っても戻ってこられる『土台』を築くことができたと成長を感じています。

チームの顔として"東京オリンピック出場へ"

今シーズン、チームでは20勝という目標。そして本拠地・横浜スタジアムで行われる東京オリンピックに出場したいという思いがプレミア12を経てより大きくなっています。

 

今永昇太投手

テレビの中の世界だと思っていたし、オリンピックを意識している自分はとうてい想像できなかった。


でも今は、必ず選ばれたいというモチベーションがあるし、絶対に出て優勝したいという気持ち。

主力としての"自覚"も

 

筒香嘉智選手が抜けたチームで今永投手は、抑えの山﨑康晃投手とともにチームの顔になりつつあります。

キャンプでは練習終了後も、サイン会などファン対応や報道各社の取材対応で、これまでと比べてはるかに忙しそうです。

 

今永昇太投手

自分に自信を持っている訳ではないので、プレッシャーを感じるし、本当に自分の立ち位置がこれでいいのかなと思うこともある。


だからこそ、やるべきことをするように心がけている。

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この記事を書いた人

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沼田 悠里 記者

平成24年 NHK入局。金沢局、岡山局を経てスポーツニュース部。プロ野球・DeNAを2年間担当したあと、ウインタースポーツを取材。

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