ストーリー野球

巨人 原監督「狙うは8年ぶりの日本一」 

2020-10-31 午前 0:50

自身9回目のリーグ制覇を達成した巨人の原辰徳監督。10月は初の月間負け越しとなりましたが、投打に強さを見せた今シーズンは、経験に裏打ちされた勝機を逃さないさい配が光りました。

原監督

「長く苦しいペナントレースでいつもぎりぎりの僅差の勝負だった。引き分けで優勝を決めたが、ペナントレースを象徴するようなゲームだったと思う」

 

原監督は、試合直後の優勝インタビューでこれまでの道のりを振り返りました。

全員野球で若手も積極起用


新型コロナウイルスの影響で開幕がおよそ3か月遅れた今シーズン。過密な日程を乗り切るため、原監督はベンチ入りしたすべての選手で戦う『全員野球』を掲げてスタートしました。その象徴が若手の積極的な起用です。育成出身4年目で1軍出場の経験がなかった松原聖弥選手やともに20歳の戸郷翔征投手と直江大輔投手など、1軍に昇格させるとすぐにチャンスを与え、実戦を通じて成長を促しました。その一方でシーズン序盤に調子が上がらなかった主力の坂本勇人選手と丸佳浩選手に送りバントのサインを出し、チーム全体で1点を奪いに行く姿勢を示しました。さらに実績があっても不振が続いた陽岱鋼選手は迷うことなく2軍に降格させました。

見逃さない勝負どころ


3期14シーズン目となった原監督。勝負どころでのさい配はさすがでした。8月28日の中日戦では、7回からマウンドに上がった右投げの鍵谷陽平投手が2点を失い、なおもツーアウト一塁三塁の場面。左打ちの代打・井領雅貴選手に対して、追い込んでから2球ファウルで粘られると打席途中にもかかわらず、今シーズン、サイドスローにフォームを変えた左投げの大江竜聖投手にスイッチしました。ここで大江投手は空振り三振を奪ってピンチを切り抜け、起用に応えました。また9月21日の広島戦では、4点リードの5回ワンアウトからフォアボールとデッドボールでランナーをためた直江投手に対して、打順が中軸に回ったところで、プロ初勝利を目前に降板させました。試合後、原監督は「3番4番を迎える訳だし、ホームランを打っているバッターもいる。4点差はまだまだ。勝利投手になるのは簡単ではないということです」と勝利に徹した姿勢を示しました。その上で「こっちだって彼に勝利投手になってほしいよ」と親心も見せました。

 

 

積極的な補強でチーム強化を怠らず

 

 

選手補強の権限を持つ監督として、シーズン中も積極的な補強を続けました。開幕から1週間もたたない6月25日には、打線に厚みを持たせるため、楽天から来日5年間で通算106本のホームランを打っているウィーラー選手を獲得。

 

 

 

7月14日には再び楽天から左サイドスローの高梨雄平投手をリリーフ強化のため獲得しました。そのときにチームとして何が足りないのかを即座に判断して動いたのです。その一方で、新人王や最多セーブのタイトルに輝いた澤村拓一投手をトレードで移籍させるなど出場機会に恵まれない選手には新しい環境で活躍の可能性を与えました。その背景には、新陳代謝がチームの活性化につながるとともに、野球界全体にもプラスになるという考えがあります。

 

 

負担軽減でけがの防止

また過密な日程となったシーズンを乗り切る工夫も見られました。
試合当日に移動距離が長い場合は、試合前の全体練習を行わず、個別に調整を任せることがあったほか、リリーフ陣は3連投を控えるようにやりくりするなど、極力けが人を出さないようにする取り組みを続けました。こうした原監督の思いが反映されたのは、8月6日の阪神戦。大量11点をリードされた8回に、ブルペンのピッチャーを休ませるため、内野手の増田大輝選手を6人目としてマウンドに送りました。ルールが違う大リーグではよく見られる光景ですが、プロ野球では異例のさい配でした。9月1日から始まった今シーズン最長となる13連戦最後の試合を白星で終えると、原監督は「かなり選手もハードに動いているわけで、そこは個人に任せている。ゲーム、そこにしっかりコンディションを作ってやってくれというところですね。特殊な日程で、コンディションを維持するのは選手も大変なことだけど、われわれも考える必要がある」と語りました。

V9川上哲治さんを超える


勝負どころを逃さない戦いを続け、9月11日には監督としての通算の勝利数が1067勝に。9年連続日本一を達成し、巨人の監督として歴代トップの勝利数を誇った川上哲治さんの1066勝を抜きました。この試合後、原監督は「やはり勝つのが大事。チームの和を作るのは実力至上主義だと思う。『力のある人が1軍、スターティングメンバーに』ということを自問自答しながらチームを作ってきた。それは今後も変わらない」とチーム内の競争原理が勝利につながっていることを強調しました。

狙うは8年ぶりの日本一

 

去年の日本シリーズでは、原監督率いる巨人がソフトバンクに1勝もできずに敗れ去りました。加えてセ・リーグのチームが勝ったのは、原監督が日本一を達成した8年前にまでさかのぼります。悔しさを胸に大舞台に挑みます。

 

原監督

「シーズンの前半、中盤、後半と選手には、むちを入れながら頑張らせた。後半に疲れも出て、5連敗もした。しかし、この優勝で、疲れも半減し、英気も養えると思う。きたる日本シリーズでは、たぶん、どこかのチームでしょう。そのチームと正々堂々と戦って、日本一になりたい」

 

 

 

 

 

            

 

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川本 聖 記者

平成22年NHK入局。さいたま局、宮崎局、松山局を経てスポーツニュース部。

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