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光る各国の個性!オリンピック歴代ピクトグラムを一気見せ

2019-07-31 午後 0:26

夏季オリンピックの歴代ピクトグラム一気見せ

1964年の東京オリンピックで初めてお目見えしたスポーツピクトグラム。それ以降も開催国の個性を反映させるかたちで毎回デザインされ、前回のリオデジャネイロ大会までに夏季だけで14のデザインが生まれました。それぞれどんな思想・モチーフをもとにデザインされたのでしょうか?1964年から2016年までの夏のオリンピックで使用された、全スポーツピクトグラムを一気に振り返ります!

まずは2020年東京オリンピックをチェック!

過去大会のスポーツピクトグラムを振り返る前に、まずは2020年東京オリンピックのために制作された最新版のデザインを見てみましょう!

 

組織委員会によるスポーツピクトグラム紹介動画

1964年〜2016年 夏のオリンピック ピクトグラムを一気見せ!

《1964年》東京オリンピック

IOC資料より引用

 

世界初のスポーツピクトグラムは、なんと日本で作られたんです!世界各国から来日する日本語がわからないアスリートや観客に、「どんな競技が行われるのか」を一目で伝えるために開発されました。それぞれのスポーツにおいて象徴的なシルエットが、全身または一部のパーツで表現されています。

《1968年》メキシコオリンピック

IOC資料より引用

 

最大の特徴はアスリートの体の一部か、その競技で使われる器具・用具などが大作りに表現されている点。背景に複数の色を敷き、白抜きで描かれているところも1964年バージョンとの大きな違いです。古代メキシコの象形文字や、先住民族であるウイチョル族のアートがモチーフに使われています。

《1972年》ミュンヘンオリンピック

IOC資料より引用

 

過去2大会と比較すると、ほとんどの競技で全身が描かれているミュンヘン大会。線の太さをパターン化したこと、45°と90°という2種類の角度に基づいてシルエットを構成したこと──「グラフィック要素の標準化」という点で、このスポーツピクトグラムは後世に多大な影響を与えました。

《1976年》モントリオールオリンピック

IOC資料より引用

 

「グラフィックシンボルの連続性を確保するため」という目的で、前回大会とほぼ同じデザインが色だけ変えられて使用されたモントリオール大会。そんななか、日本のお家芸である柔道だけが変更されることに…。選手が組み合った状態ではなく、片方の選手が技をかけられた状態になっています。

《1980年》モスクワオリンピック

IOC資料より引用

 

モスクワオリンピック組織委員会は、いくつかの美術学校に、学生の学位取得の手段として「スポーツピクトグラムの制作」を盛り込むよう依頼。ニコライ・ベルコフという学生が作った作品が選ばれました。全体的に丸みを帯びたシルエットと、頭以外のパーツが1つのピースとして描かれている点が特徴です。

《1984年》ロサンゼルスオリンピック

IOC資料より引用

 

「明確なコミュニケーション」「一貫性」「読みやすさと実用性」「柔軟性」「デザインの区別」「試合の“見た目”との適合性」という6つの基準に基づいて作られたロサンゼルス大会。「当初はミュンヘン大会のピクトグラムの権利を買い取ろうとしていた」という逸話も公式情報として残っています。

《1988年》ソウルオリンピック

IOC資料より引用

 

1985年の段階では、同じくソウルで開催された1986年アジア大会のデザインをオリンピックでも流用する予定でした。しかし、あとになって「オリンピックの独自性」が重要視され、新たにデザインを作り直すことに…。頭と手足がベタ塗りなのに対し、ボディだけが白抜きでデザインされています。

《1992年》バルセロナオリンピック

IOC資料より引用

 

これまでは機械的な線や面が多く用いられていましたが、ダイナミックな人間の動きを表現するため、筆で描かれたようなグラフィックを採用。同じデザイナーが手がけた大会ロゴの「類似性」という要素も新たに盛り込まれ、ボディがまったく描かれていないのも特徴のひとつです。

《1996年》アトランタオリンピック

IOC資料より引用

 

これまでの全作品の中で、もっともリアルに描かれたと言えるアトランタ大会。直線的なパーツはほとんどなく、筋肉の隆起までもが表現されています。オリンピック発祥の地である古代ギリシャで作られた、アンフォラという陶器に描かれていたグラフィックがモチーフにされました。

《2000年》シドニーオリンピック

IOC資料より引用

 

オリンピックエンブレムと同じく、ブーメラン風のシルエットで手足を描いたスポーツピクトグラム。オーストラリアの先住民族・アボリジニが使っていた伝統的な狩猟道具であるブーメランを用いることで、彼らの文化への敬意を表するとともに、アスリートのスピード感やダイナミックさを表現しています。

《2004年》アテネオリンピック

IOC資料より引用

 

古代ギリシャで栄えたキクラデス文明の像にインスパイアされた、「簡素で整然とした形状」と「シンプルなレイアウト」が特徴。背景の枠の形がランダムな点もユニークですが、これも「発掘された古代の花瓶の破片」に着想を得たそうで、発祥の地らしく“古代の遺物”が全面的にモチーフにされています。

《2008年》北京オリンピック

IOC資料より引用

 

美術大学をはじめとした複数の団体と、海外の専門家で組織された作業部会は、古くから中国に伝わる篆書体(てんしょたい)のように各競技を描写。中国の文化を表現するとともに、滑らかな印象を与えています。にじんだような外枠の効果もあって、ひとつひとつがさながら印鑑のようです。

《2012年》ロンドンオリンピック

IOC資料より引用

 

標準的な仕様の「シルエットバージョン」と、ロンドンの地下鉄の地図を模した「ダイナミックバージョン」という2種類があり、デジタルや立体物への応用も含めたさまざまな用途のために設計されました。また、近代五種が複数のピクトグラムの組み合わせで作られたのは、1968年のメキシコ大会以来です。

《2016年》リオデジャネイロオリンピック

IOC資料より引用

 

グラフィックデザインを手がけるチームを、大会の組織委員会内部に設置。リオデジャネイロの景観の特徴である「曲線」を取り入れたシルエットは、アスリートの「動き」を表現しつつ、オリンピックエンブレムとも共通性を持たせています。また、奥行きを表現するために線の太さにも変化を加えています。

 

たくさんの競技をシンプルかつ分かりやすく表現するスポーツピクトグラム。その裏には開催国の文化を反映した様々な発想があったんですね!

 

2020年東京オリンピックのスポーツピクトグラムにはどんな工夫や試行錯誤があるのでしょうか?デザイナーの廣村正彰さんによる制作秘話もご覧ください。
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制作に2年!2020東京五輪ピクトグラム デザイン秘話

 

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