ストーリー野球

ヤクルト 清水昇投手 ロケットボーイズからの助言

2020-10-23 午前 10:40

謙虚に着実に歩む2年目

最速152キロのストレートに、落差のあるフォークボール。

ときにおたけびをあげるほど気迫を前面に出した投球で、清水投手はチームトップの43試合に登板し、26ホールドはリーグトップに並んでいます。

それでも、本人は謙虚に自分の足元を見つめています。

 

清水投手

自信にはなっていない。毎日毎日勉強にはなっているけど、抑えたから次も抑えられる保証はないので。

本当に無我夢中でやっていてという感じ。まだ自分自身、経験が浅くて、結果もまだまだだと思っている。

 

 

その実直な言葉の裏には、ルーキーだった去年の挫折がありました。即戦力と期待され国学院大からドラフト1位で入団。

去年6月、チームが15連敗中という厳しい状況で、プロ初先発の清水投手に連敗ストップが託されました。結果は4回5失点で負け投手。

チームはセ・リーグワースト記録に並ぶ16連敗を喫しました。その後の登板でも打ち込まれ、昨シーズンは11試合で0勝3敗、防御率7点27に終わりました。

清水投手

やっぱり去年はふがいないピッチングばかりで、苦しい部分もあった。けど、それがあったからこそ今の自分がいると思う。

 

去年11月、秋季キャンプ中にテレビで観戦した国際大会「プレミア12」。

大学時代に同じ東都大学野球でしのぎをけずり、ともにドラフト1位でプロ入りしたソフトバンク 甲斐野央投手が盤石のリリーフで日本代表の優勝に貢献する姿を目に焼き付けました。

清水投手

すごいなって思う部分もあったが、自分もどうにかして同じ舞台に立てるように頑張りたいと思った。すごくいい刺激になった。

ロケットボーイズからのアドバイス

中継ぎとして再スタートした2年目の今シーズン。

コントロールが安定し、開幕から11試合連続無失点。抑え投手へとつなぐ、勝ちパターンの8回を任されるようになりました。

 

 

失敗が許されないセットアッパーの責任や重圧に押しつぶされそうになった時に、支えになったのは左右の豪腕セットアッパーとしてヤクルトで一時代を築き、“ロケットボーイズ”と呼ばれた2人の大先輩でした。

 

石井弘寿コーチ

 

1人は、最優秀中継ぎ投手にも輝いた石井弘寿投手コーチ。シーズン中盤にこんな言葉をかけられたといいます。

石井弘寿投手コーチ

打たれるのが怖いなら、そのポジションをやめなさい。ほかの球団のセットアッパーたちを見てみなさい。打たれるのが怖くて投げているピッチャーは誰もいない。

清水投手

フォアボールを出したときや、打たれるのが怖くて、どうしても逃げ腰になってしまったとき、石井コーチにこの一言を言われたのが大きかった。

今は打たれてもいいからそのあとを抑えればいいと意識してやっている。

 

五十嵐亮太投手

 

もう1人は今シーズンかぎりで引退することになった五十嵐亮太投手。

最速158キロをマークし、日米通算905試合にすべてリリーフで登板した41歳に、心構えについてアドバイスをもらいました。

五十嵐亮太投手

中継ぎはきょう打たれても、あしたも投げるかもしれない。あさっても投げるかもしれない。打たれたことは悔しいけど、次に引きずらないように。

清水投手

打たれた後だったり負けた後の切り換え方の大事さを教わった。

今はいつも同じ事をしたり、打たれても気持ちがぶれないようにしたり、そういうことを積み重ねている最中。

ルーティンで心と体を整える

2人のアドバイスを胸に、清水投手が取り組んでいるのが、心と体を整えるため日々同じことを続けることです。

神宮球場でのナイトゲームでは午前10時半から11時ごろに球場入りし、体を動かしながら1人でリラックスできる時間を作ります。

そして必需品が、この電気を使ったマッサージ器具。遠征先にも必ず持って行き、練習と試合の間の時間に使うのを日課にしています。

 

清水投手

ちょっと早く来てストレッチやウォーキングをしたり、バイクをこいだりして1人でリラックスする。

反省をしたり、これからのことを考えたりする自分の時間を大事にしている。

それに毎日同じ動きをすれば、どこが疲れているかとか、どこの筋肉が張っているかとか、自分の体のことも分かってくる。

 

シーズンを通して好不調の波が小さく、安定感が光る清水投手。日米通算313セーブをあげた高津臣吾監督も高く評価しています。

 

高津臣吾監督

高津臣吾監督

リリーフピッチャーは良くても悪くてもマウンドに上がらなければいけない。同じ精神状態で、同じ体調でマウンドに上がるのがひとつの大きな仕事。

清水は今シーズン、ほぼ調子を崩さずマウンドに上がれているので、そこは大きな成長だと思う。やったことのない立場に対応しながら、うまくこなしてくれている。

タイトル獲得の可能性も

10月20日現在、勝利数も含めたホールドポイントはセ・リーグトップと2つ差の26。

最優秀中継ぎ投手のタイトル獲得のチャンスがあります。それでも清水投手の心の中にあるのは、先輩たちの教えを胸に、目の前の試合で着実に役割を果たすことだけです。

 

清水投手

やっぱり自分の結果よりも、まずはチームが勝てたらいい。欲を言って何かを変えていくより、ここまでやってきたことを続けて最後までいきたい。

この記事を書いた人

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杉井 浩太 記者

平成20年NHK入局。富山県出身。
新潟、横浜局を経て5年前からスポーツニュース部。ヤクルト、日本代表、NPBを取材中。

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