ストーリー野球

西武 髙橋光成投手 エースの座に近づけるか

2020-10-22 午後 02:40

西武の髙橋光成投手は、今シーズン序盤はふがいないピッチングが続きましたが、9月に入るとノーヒットノーランに迫る完封勝利など圧倒的なピッチングを見せました。そこには、背番号を引き継いだ通算182勝のコーチの教えを胸に「もっと野球がうまくなりたい」とどん欲に追い求める姿がありました。

(記録は10月17日現在)

 

飛躍が期待された今シーズンは前半低迷

髙橋投手はプロ6年目の23歳。前橋育英高校時代に夏の甲子園で優勝しドラフト1位で入団。1年目に5勝をあげましたが、その後は伸び悩みました。昨シーズンようやく10勝6敗と自身初のふた桁勝利をあげ、先発の柱の1人と期待された今シーズン。開幕した6月には2勝も、7月は0勝3敗。8月も1勝3敗。期待に応えたとは言えない内容が続きました。

髙橋投手

 

前半はちょっと(投球が)バラバラだった。

打たれる試合が続いてしまった。

ノーヒットノーラン未遂!?

 

それが9月に入ると好投する試合が続きました。1日のロッテ戦は7回途中までノーヒットの好投。そして8日のオリックス戦では、8回までノーヒットで9回もマウンドに上がりましたが、先頭の代打 西野真弘選手に3球目をセンター前に運ばれました。それでも続く3人を抑えて、今シーズン初完封をマークしました。

髙橋投手

後半になってから、安定して投球できているというのがある。前の試合もよくて、それでよかった次の試合は絶対大事だっていう気持ちで臨んだ試合だった。

その中で、あそこまでノーヒットノーランでいけるとは、自分でも思っていなかった。でもあそこまで行ったら(ノーヒットノーラン)やりたかったという気持ちがあとあとになってある。

背番号を引き継いだ先輩は3回も偉業達成を逃す

 

髙橋投手の背番号は13。西武で通算182勝をあげた西口文也投手コーチを引き継ぎました。その西口コーチは現役時代、なんと完全試合とノーヒットノーランをあわせて3回逃しました。9回のマウンドに上がる髙橋投手に、西口コーチは「ツーアウトまでは行けよ」と声をかけました。

 

西口コーチ

 

(ノーヒットノーランは)できるものならやってほしかったというのが本音。ただヒットを打たれた後に完封できたのが大きい。このような投球を続けていけば、もっともっと勝てる投手になれる。

髙橋投手

 

西口さんのノーヒットノーラン未遂は、YouTubeで見て知っていた。次はツーアウトまでいって、ノーヒットノーランを完成させるよう頑張りたい。

西口コーチの教えを胸に ~技術面~

 

復調の背景には、西口コーチの教えがあったということで、今回の取材では2つのポイントを教えてくれました。1つは技術面。西口コーチが現役時代に持ち味にしたキレのあるスライダーの握りを伝授されました。

髙橋投手

 

縫い目にしっかりと(指を)かける握り方を教えてもらった。ボールをどう投げていくのかという意識的な部分なども。スライダーは投げて投げて練習して、身につけるものだと思うので、ピッチング練習もそうだし、キャッチボールでちょっと座ってもらい、その軌道を確認することもしている。

 

10/18 メットライフドームのブルペンで練習している様子、それを見守る西口コーチ

 

そしてスライダーに加え、オフから習得に取り組んだのが、カットボール。試合を重ねる中で手応えをつかんでいます。

髙橋投手

 

後半になって精度や曲がり幅が安定してきたので効果的。カットボールとスライダーで違うところに投げられるし、少しずつよくなってきている。

西口コーチの教えを胸に ~精神面~

 

もう1つは心構えです。『どんなこともポジティブに考えろ』という教えを試合の中でも実践できるようになりました。

髙橋投手

 

反省する点は反省するが、なるべくいいように捉えることは心がけている。打たれても『打たれちゃった』ではなく、『あっ、たまたま当たったな』とか、

真ん中に入って相手バッターが打ってこなかったら、『自分の球がいいんだな』と。すごく成果がある。

 

さらにチームの先輩からのアドバイスも生かしています。栗山巧選手と中村剛也選手からはバッターの心理について質問しました。

髙橋投手

 

自分が苦手だから投げていないボールでも、それがあるだけでまた幅が広がると。ピッチャーが思ってる事とバッターが考えてる事は違うと思った。これからもいろいろ聞いて、自分のものにしていきたい。

エースの座を目指して

髙橋投手は10月に入っても好投を続けています。6日のソフトバンク戦は6回と3分の1、13日の日本ハム戦は8回をそれぞれ無失点。負けが1つ先行していますが、

チームトップの7勝と終盤にかけて投手陣を引っ張る存在になっています。

 

髙橋投手

 

野球がうまくなりたい。勝ちたい。優勝したい。そういう気持ちがあるからこそ、どんどんレベルアップしたい。1試合1試合しっかりと自分のできることをやって、チームの勝ちに貢献できるピッチングをしていきたい。

この記事を書いた人

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持井 俊哉 記者

平成26年NHK入局

北九州局を経て、ことし9月からスポーツニュース部。プロ野球の西武を担当。小1から剣道をはじめ、現在、5段。「打って反省、打たれて感謝」をモットーに何事にも謙虚に誠実にチャレンジすることを目指す。

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