ストーリー野球

ソフトバンク和田毅投手 走り続ける39歳

2020-10-15 午後 03:00

ソフトバンクの和田毅は1981年2月生まれ、いわゆる“松坂世代”です。今シーズン、同じ世代の選手の引退表明が相次いでいます。そんな中で勝利を重ねる和田投手。どうして、第一線で輝き続けられるのか。その極意を探りました。(データは10月12日時点)。

ローテーションを守る39歳

10/11 ソフトバンク―ロッテ戦 7勝目挙げた和田 

 
チーム最年長、39歳の和田投手。昨シーズン途中、2年ぶりに左肩の違和感から復帰し、今シーズンは開幕からほぼ先発ローテーションを守り、ここまで7勝1敗の成績を残しています。
和田投手

悔いの残るボールを投げたくない。ことしは試合数も少ないし、1試合の勝ち負けがリーグ優勝に結びつく大切なシーズン。投げた試合は何とかチームが勝てるように全力で抑えていきたい。

相次ぐ“松坂世代”の引退表明

和田投手は松坂大輔投手と同学年にあたるいわゆる“松坂世代”の1人です。この世代でプロ入りした選手は90人を超えると言われています。そんな中、今シーズン現役でプレーしているのはわずか5人になっています。

 

阪神 藤川選手の引退会見

 
そのうち、9月に入って阪神の藤川球児投手と楽天の渡辺直人選手の2人が、今シーズンかぎりでの引退を表明しました。
けがや出場機会がなくなったことが大きな理由でした。

和田投手

 

自分も『通用しない』『もうダメだ』と思うときが来れば、『また来年頑張ろう』ではなく『辞めないといけない』と思う年齢になっている。(2人の引退は)正直さみしいが、自分はまだまだやれるという思いもある。

 
さらに“松坂世代”と呼ばれたことが成長を後押ししたと感謝しています。

和田投手

 

最初はそんな呼び名で呼ばれることすらなかった野球部員だった。そういう風にくくってもらえるような、レベルの高い仲間たちが同世代にいたから、謙虚な気持ちを持ち続けることができた。

「走る」重要性

同世代のプレイヤーが次々と現生活にピリオドを打ってきた中、和田投手は、なぜ100%のパフォーマンスを維持できるのか。その答えの1つが「走る」です。

 

 
ことしは自主トレーニングから走る量を増やしてきました。和田投手は、先発ピッチャーが試合で長く投げるには「投球フォームを崩さないこと」が重要だと考えています。また、これは走り続けるときに「フォームを崩さずに走る」ことに共通していると和田投手は考えています。走ることは「疲れてもフォームを維持するトレーニング」だったのです。

和田投手

 

現状維持でいこうとすれば衰えていくだけなので、ことしはそういう意味でもけがをしないギリギリの範囲のところで走っている。若いときから走り続けてきたから、自分はこの年齢になってもプロ野球の世界でプレーできていると強く思っている。

考えて投げる

そして、マウンド上で大切にしているのは「考えて投げる」ことです。そのためには、試合前に入念に準備します。

和田投手

 

当番前日や2日前から映像を見て、相手バッターに対する自分のイメージと今のイメージをすり合わせる。『こういうイメージで攻めよう』とか『このコースはよく振れている』というのを頭に入れて試合に臨んでいる。

 
今シーズン奪った三振の半分以上はストレートが決め球になっています。140キロ台と、決して「剛速球」とは言えない球で多くの三振を奪うことができるのはなぜか。入念な準備と、マウンドに上がってからの感覚を生かして考え抜いた配球の成せる業です。

和田投手

 

やっぱりストレートだけだとなめられてしまうし、その前後の配球についてはキャッチャーとも話し合いながら考えている。『この球にタイミングが合ってないな』と思ったら続けてみたりすることもある。

チームが勝てるピッチングを

チームはロッテと激しい優勝争いを続けています。3年ぶりのリーグ優勝へ、和田投手はこう誓います。
 

和田投手

 

2年連続でリーグ優勝を逃していて、自分自身も悔しい。ファンも悔しい思いをしている。ことしは過去2年に比べていい位置に立っている。ことしこそファンとリーグ優勝の喜びを分かち合いたい。

 
来年40歳を迎える和田投手。同じサウスポーで48歳まで現役でプレーした工藤監督も、この先のさらなる進化に期待を寄せています。

工藤監督

 

40歳手前のこの時期から徐々に、普段の生活の中でも野球に関係していることに関して、嫌でも気にしないといけなくなる。これから野球にかける時間がどんどん増えて、24時間野球漬けになり、そして365日野球漬けになる。彼にもそこまでいってほしい。   

 

この記事を書いた人

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福原 健 記者

平成30年NHK入局。1年目に警察担当記者を経て、ソフトバンク担当2年目。趣味はラーメン屋の開拓。

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