ストーリー陸上

走高跳 真野友博 選手 急成長で五輪へ名乗り 陸上 日本選手権から

2020-10-06 午後 02:24

男子走り高跳びで頂点に立ったのは急成長の24歳・真野友博選手。6年間続いた2強の優勝争いに終止符を打つ勝利でした。

大会前に優勝候補として真野選手の名前

日本選手権の男子走り高跳びは、去年までの6年間、現日本記録保持者の戸邉直人選手とリオデジャネイロオリンピック代表の衛藤昂選手の2人で優勝を独占してきました。ことしも、この2人がエントリーしましたが、大会前から優勝候補には真野選手の名前があがっていました。というのも真野選手は直近の大会で日本歴代4位に並ぶ2メートル31センチを跳ぶなど絶好調。今シーズンに限っていえば日本選手で最も良い記録を持っていたからです。一方で不安もささやかれていました。それは経験の差です。日本選手権は言わずと知れた国内最大の舞台。さらに真野選手には苦い経験がありました。

 

去年のシーズンでは

去年の日本選手権の舞台は真野選手が練習の拠点を置く福岡。自己ベストを2メートル27センチまで伸ばしていた真野選手には、地元の大きな期待がかかっていました。しかし、結果は最初の高さ2メートル10センチをクリアできず、まさかの記録なし。意気込みが完全に空回りしてしまったのです。それでも真野選手は自分の跳躍を見失いませんでした。残りのシーズンで自己ベストを2メートル28まで伸ばし、シーズンオフにはさらなる成長を目指して技術面の改良にも着手しました。

 

変えたのは助走の歩数

変えたのは助走の歩数です。もともと助走のスピードには定評がありましたが、その走力をより効率よく跳ぶ力に変えようと、助走を2歩増やしました。高さにつながる踏み切りまでの3歩をスムーズに入ることが狙いでした。さらに基礎トレーニングにも積極的に取り組み筋力も走力もあがりました。ことしさらに自己ベストを3センチも更新できたのは、こうした努力のたまものでした。

 

日本選手権では2メートル30をクリア

 

迎えた日本選手権、最初のバーの高さは去年跳べなかった2メートル10センチです。これを1回でゆうゆうとクリア、そのまま2メートル24センチまですべて1回で成功させます。気がつけば戸邉選手が早々と脱落、衛藤選手も2メートル24センチをクリアできず、真野選手は1回も失敗することなく優勝を勝ち取ったのです。最終的に記録は2メートル30センチまで伸びました。日本選手権で2メートル30センチを跳んだ選手は実に14年ぶりで、戸邉選手も衛藤選手も経験したことがない快挙でした。

 

 

試合後、取材スペースにやって来てくれた真野選手は「2メートル30センチ台で優勝することができて素直にうれしい」と満面の笑顔で語りました。跳べなかった2メートル33センチのバーの高さについては「高さを感じることはなかった。手の届くところにある」。こう力強く語ったときの表情はきりっと引き締まっていました。ちなみに2メートル33センチはオリンピックの参加標準記録です。1年延期となった東京オリンピックの代表候補に、真野選手が加わったことをもう誰も疑いません。

この記事を書いた人

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山口 里奈 記者

平成29年NHK入局
新潟局でスポーツ担当。北海道出身で中学時代はスピードスケートに熱中夏にはバスケットボールや陸上も経験

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