ストーリー野球

楽天 鈴木大地選手 "らしさ"を磨く

2020-09-17 午後 05:45

プロ野球は新型コロナウイルスの影響で開幕延期、観客数の制限など異例づくしで始まったシーズンを折り返しました。

 

12球団の担当記者がチームを引っ張る役割を担う選手の思いに迫るシリーズ。4回目は楽天の鈴木大地選手です。

FAでロッテから移籍した今シーズン、ここまでリーグトップの安打数をマークして楽天でも打線の中核を担っています。そのウラには、「自分らしさ」を見極め、磨き続ける姿がありました。(記録は9月14日現在)

“自分がやれることを”

昨シーズンの打率2割8分8厘が自己ベストの鈴木選手。

 

楽天に移籍したことしは、シーズンの3分の2にさしかかる段階で、3割3分以上をキープしリーグ4位。

特に8月は、球団の月間記録を更新する41安打を打って打率3割9分4厘をマークするなど、昨シーズンを凌駕する勢いです。

 

先制二塁打を放つ鈴木選手

 

移籍を機に何かを変えたのかと尋ねてみると、相反する言葉が返ってきました。

鈴木選手

ロッテでやってきたことは自分の中で貴重な財産。新しい場所に来たからといって違うことをやるのは違う。自分がやれることを毎日、精いっぱいやろうと思っている。

より短く

「自分がやれること」、つまり自分らしさや自分の持ち味を見極め、磨き続けている鈴木選手。

その姿勢を示す典型的な例が「バットの持ち方」です。

 

プロになった時から、レベルの高いピッチャーに対応出来るようバットを短く持つようになった鈴木選手ですが、今シーズンは、さらに指1本分から2本分、短く持っています。

 

 

きっかけは、ルーキー時代にロッテで指導を受けた、金森栄治1軍打撃コーチとの再会でした。

 

楽天で再び一緒にバッティングを見つめ直すなかで、このチームで自分に求められるのは、ホームランではなくヒットだと見極め、確実性を高めるためにより短く持つことを決断したのです。

 

打率、ホームラン、打点すべて自己ベストをマークした昨シーズンのバッティングを変えるには勇気が必要ですが、自分が出来ること、すなわち持ち味である「バットコントロール」をより重視したことが、ホームランはここまで2本にとどまる一方、ヒットを量産する原動力となっているのです。

鈴木選手

バットを操作しやすいので、いろいろなことに対応しやすくなっているし、しっかり振り切ればボールを遠くに飛ばせるという新しい手応えを感じる打席が増えている。

“野球人”として目指すものは

野球選手としての実績に加え、ロッテでキャプテンや選手会長を務めた誠実な人柄も、新天地で生かされています。ピッチャーにとって苦しい場面になると必ずマウンドに声をかけに行き、一塁を守る時は、デッドボールを受けた対戦相手に頭を下げる姿がみられます。

シーズン開幕前、新型コロナウイルスの影響で5月上旬まで39日間にわたって球団の練習施設が閉鎖され、鈴木選手は新たなチームメートたちと思うようにコミュニケーションを取れませんでした。

今も外食に出かけることは出来ませんが、その分、グラウンドやクラブハウス、ロッカールームでのコミュニケーションを大切にし、後輩の相談にも積極的に乗っているとのことです。移籍1年目からチームに受け入れられ、存在感が高まっています。

鈴木選手

自然体でやらせてもらえることがありがたいし、その思いに応えたい。

 

そんな鈴木選手が特別な思いを寄せるチームメートがいます。今シーズンかぎりの現役引退を表明した、1軍打撃コーチを兼任する渡辺直人選手です。

 

引退会見をする渡辺直人選手

 

ロッテ時代、名実ともにチームリーダーだった鈴木選手からみても、渡辺選手の存在の大きさは別格だと言います。

鈴木選手

自分より9つ上の先輩が、キャンプで誰よりも元気を出してやっている姿1つを見ても、ファンやチームから慕われていることがよく分かった。自分もこういう“野球人”になりたいと思った。

 

“野球人”として成長した先に見据えるのは、自分自身にとって、そして目標とする渡辺選手にとっても初めてとなる、優勝ただ1つです。

 

鈴木選手

直人さんは『みんなが喜んでいる姿や表情がうれしい』と言ってくれたが、僕らも直人さんに喜んでもらえるように、笑顔で送り出せるように頑張りたい。

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