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「走ると足が痛い!」を解消 その場で実践できる部位別ストレッチ

2020-05-29 午後 0:23

外出自粛や在宅ワークが続く中、運動不足解消に「ちょっと走ってみようかな」と思う人も多いのではないでしょうか。そんなときに気を付けたいのが足の痛み。無理をして走っていると、思わぬケガにつながってしまうこともあります。


そこで今回は、誰でも楽しく安心して走れるよう、ランニング中に「あれ? なんだか足が痛い……」となってしまったときの対処法を、ランニングコーチであり柔道整復師の宮川浩太さんにオンライン取材でレクチャーしていただきました!走る前にしておけば痛みやケガの予防にもなりますよ。

走り出したら、足が「ピキッ!」これは一体、何の痛み?

 

「よーし、走るぞ!」と意気込んで第一歩を踏み出した瞬間、足に「ピキッ!」という、なんとも言えない痛みが走り、思わず立ち止まってしまった。そんな経験のある方は少なくないのではないでしょうか。

 

これは、一言でいうと、体が運動をする準備ができていないことが原因のひとつ。足首やふくらはぎ、太ももなど走る上で重要な関節や筋が固まったままなので、走り出そうとする急な刺激に体が驚いているのです。このまま走り出すと、足がつったり、肉離れになることもあるので要注意!

 

簡単にできる対処法は、走る前に、無理のないペースで歩き体を温めること。徐々に体全体がほぐれ、動くべき部分がちゃんと動くようになってきます。

 

歩く目安としては、だいたい5〜10分くらい。寒い時期なら、少し体が温まってきたなというレベル。暑い時期であれば、うっすらと汗をかくくらいまで体を温めるといいでしょう。

ふくらはぎが痛い!つる!

ふくらはぎは、足首を動かす筋肉です。ここを酷使すると疲労がたまり、痛みを感じるようになるのですが、実は多くのビギナーが感じる痛みのひとつ。その原因は、走り方にあります。

 

 

本来の理想的な走り方は、左の写真のように股関節をしっかり使い、ふくらはぎに極端な負荷をかけず脚全体を使って走るスタイルです。しかし初心者ランナーは、右の写真のように股関節がうまく使えず膝から下のふくらはぎを中心に使って走りがち。その結果、ふくらはぎに疲労がたまり、痛みにつながるのです。この状態がひどくなるといわゆる「肉離れ」につながることもありますが、ビギナーの場合には、肉離れよりもまず、足がつってしまうというトラブルが目立ちます。

 

 

ふくらはぎに痛みを感じたり、つってしまったときにオススメなのが、アキレス腱から膝にかけてつながる筋のストレッチ。ふくらはぎは、膝側につく腓腹筋(ひふくきん)とその下につくヒラメ筋に分けられます。ふくらはぎをつった際には両方の筋を伸ばすために、膝を伸ばしたストレッチと膝を曲げたストレッチの2種類をやると効果的です。

1 膝を伸ばしたストレッチ

一般的なアキレス腱のストレッチです。これで腓腹筋を伸ばします。痛みがある、またはつった方の足を、かかとをつけたまま、ゆっくりと足首を前に曲げていき、伸ばした状態を10秒ほどキープ。痛みやつった状態や痛みが和らぐまで繰り返します。

 

2 膝を曲げたストレッチ

次にヒラメ筋を伸ばします。痛みがある、またはつった方の足の膝を曲げた状態で体を落としていきます。そして、その状態を10秒ほどキープ。1と同じく、痛みやつった状態が和らぐまで繰り返します。

 

 

このとき、うまくのばせているか分からなければ、下の写真のように立て膝にしてしゃがみこみ、少し前傾する方法もあります。同じく10秒ほどキープしましょう。もう片方の足は、負担がかからないように膝をついて後ろに伸ばしていてOK。

 

 

ふくらはぎの状態が元に戻ったら、またゆっくりと走り出してOKですが、くれぐれも無理はしないように。ちなみにこのストレッチは、痛みが出始めたときの対処法としても、普段の運動後のケアとしても有効です。

足首が痛い、走るのが辛い……そんなときは

足首の痛みも、ランニングをしていると感じることが多い痛みのひとつですが、それもそのはず。ランニング中は、足首にはねじれのストレスが繰り返されるため慢性的な捻挫のような状態になっているのです。

 

ランニング中の足首は、上のイラストのように曲げ伸ばしだけではなくねじれる動きも常に起こっています。

 

走り慣れていないランナーの場合、足首にかかるストレスに十分耐えられないため、足首は痛めやすい場所の一つと言えます。痛みを感じたときには、足部にある様々な関節を柔らかくするストレッチがオススメです。足部の柔軟性を高めることでストレスも軽減され痛みが出にくくなります。

ストレッチの方法

1 足首を回す

 

足の甲をつかんで、右回り、左回りそれぞれ5回ずつ、足首をぐるぐる回します。

 

 
2 足の甲を回す

 

足の甲を両手でつかみ、ぞうきんをしぼるように回します。つかんだ甲を上向き、下向きにする動きを1回とし、計10回、回しましょう。

 

 
3 足の指を動かす

 

足の指を順番に、親指と人差し指、人差し指と中指…のように2本ずつ分けてつかみ、交互に上下させましょう。回数としては、上下で各5回、合計10回を目安にします。また指を1本持って開いたり回したりするのもいいですね。

 

 

ランニング中に足首が痛くなったとき以外でも、この1~3のストレッチを続けることで、足首の柔軟性が改善され、前後左右のストレスに耐えることができる足首になっていきます。

 

ただし「これはいつもの足首の痛みじゃない!」というくらいの痛さがあり、帰宅後もその痛みが続く場合には、「そのうち治るだろう」と甘く考えず、専門医に相談しましょう。

まさにランナー病!膝の痛みはどうする?

膝は、ランニングをする人が傷めやすい部所の代表格。膝痛の主な原因は、膝の曲げ伸ばしのたびに膝の周辺にある靭帯や筋肉が膝の骨の出っ張りとぶつかって摩擦が起き、炎症を起こすことにあります。

 

普通に歩いているときは、膝の内部にあるさまざまな軟部組織(脂肪や半月板など)がクッションになって摩擦を吸収してくれるのですが、ランニング時は膝の動きが大きいためにその摩擦を吸収しきれず、炎症を起こしてしまうことがあります。

 

膝のトラブルの多くは太ももと深い関係があります。太ももの筋の多くは膝関節につながっているため、この部分の緊張感が高まると膝関節の動きが悪くなるからです。そのため、膝のトラブルに有効なのが太もものストレッチ。ランニング中に膝が痛くなった場合はもちろん、太ももが張ってくると膝が痛くなりがちなので、日頃からよく伸ばしておくといいでしょう。

ストレッチの方法

太もものストレッチ

 

太ももは、内側と外側の両方の筋肉を伸ばします。

 

片膝をついて、地面に膝をつけている方の足の甲を手で持って引き寄せ、太ももをぐっと伸ばす。その姿勢を10秒キープ。「痛気持ちいい」くらいの感じでいいのですが、負荷をかけすぎるのはよくないので、30秒以上は伸ばさないようにしましょう。

 

 

そして右手・左手と交互に引き寄せることで、太ももの両サイドの筋肉を伸ばすことができます。たとえば右足の甲を右手で持って引き寄せると右足太ももの内側のストレッチになり、左手で持つと外側のストレッチになります。

 

このストレッチを、右足、左足交互に行います。もし膝が痛くてストレッチができない場合は、立った状態でふとももをこぶしで軽く叩くだけでもOK。

ほかにも、こんなところに要注意!

今まで紹介した以外にも、ランニングをしていると次のようなところも痛くなりがち。しっかりケアしておきましょう!

 
足の裏

 

足の裏には、「足底腱膜(そくていけんまく)」という衝撃を吸収する硬い組織があります。ランニングが楽しくなり長い距離や時間を走れるようになってくると、この足底腱膜に過剰なストレスがかかり、痛み出すことがあります。この炎症は、足の裏からかかとにかけて出ることが多いので、日常生活にも支障がでかねません…!予防法や発症したときの対策としては、足首のケア同様、足の関節の柔軟性を高めることが重要です。

 

 

デスクワークで同じ姿勢をとっていると、体は硬くなってしまいます。そのような状態のままで走り出すと腰への負担が大きくなり、その結果、腰痛を引き起こしがちに。特にリモートワークなどで、通勤で歩くことすらなくなっている場合には、なおさら気を付けたいもの。体を動かす前に、まず骨盤周辺のストレッチをおこないようにしましょう。骨盤の前傾に動かし、硬くなった腰周辺をしっかり動かすことがポイントです

 

一番大切なのは、正しい走り方を意識すること

さて、ここまで、ランニングをしていると起こりがちな足の痛みの対処法・予防法をご紹介してきましたが、最後にもうひとつ。

 

最も効果的な足の痛み対策は、「痛くなりにくい、正しいランニングフォームで走る」ことです。

 

マラソン選手のように軽々走り抜けることはなかなか難しいですが、ちょっとした意識を持つことでランニングフォームはグッと良くなります。意識するポイントとしては、「骨盤を前傾させ、腰を入れるように走る」こと。こうすることで膝の過剰な曲げ伸ばしを減らすことにもつながり、その結果ふくらはぎや膝が痛むリスクも下がってきます。

 

 

そしてもうひとつ、「ふくらはぎが痛い!つる!」で説明したように、膝から下のふくらはぎを中心に使うのではなく、「股関節から動かすように走る」こと。そうすることで、膝から下の部分への負担が減っていきます。

 

いかがでしょう? 寒さもおさまり、これからランニングにいい季節です。ちょっと運動不足かなという皆さんも、ストレス解消に、ぜひ安全に楽しく走ってみませんか?

ランナー必見!中野ジェームズ流 疲労回復メソッド

この記事を書いた人

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宮川 浩太

柔道整復師/日本陸連A級トレーナー。高校生から市民ランナーまでへの指導&治療経験を生かし、ランナー向けWebメディアを運用する傍ら、腰痛専門治療院の院長を務める。フルマラソン自己ベスト2時間22分15秒。2007年、2009年の「かすみがうらマラソン」で優勝。

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