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特集 中日・細川成也選手 現役ドラフトからの飛躍

野球 2023年12月7日(木) 午後6:00

球団史上初めて2年連続でリーグ最下位に終わった中日。その中で希望の存在とされたのが現役ドラフトで移籍してきた25歳の細川成也選手です。打線の主軸を担って140試合に出場し131安打、24本塁打、78打点。あらゆる部門でキャリアハイどころかDeNAでプレーした6年間の通算成績を大きく上回りました。秋のキャンプでさらなる飛躍に向け課題の克服に取り組んでいます。

 

朝から晩までバットを振り続けた秋のキャンプ

充実の7年目を終えた細川選手は11月の秋のキャンプで一心不乱にバットを振り続けました。日中の全体練習が終わるとバッティングケージに入ってフリーバッティング。そして順番を終えるとトスバッティング。さらに外が暗くなったら室内練習場に移動。午後7時まで1人練習を続けることも。飛躍を遂げた今季の成績に満足せず、さらなるレベルアップを図って来季に備えたいという思いからです。

 

 

細川成也選手

もっと上に行くためには自分は人よりもたくさんバットを振らなきゃいけないと思います。僕自身2軍生活が長かったので、ことし1年だけで終わらないように、来年もっともっといい成績を出すためにはやっぱり練習しかないと思っています。

 

初の現役ドラフトは最後のチャンス

細川選手は茨城県の明秀日立高校からドラフト5位でDeNAに入団。甲子園出場経験はありませんでしたが、高校生離れした長打力が期待されてのプロ入りでした。そして入団1年目にさっそく離れ業をやってのけたのです。2017年10月3日の中日戦で迎えたプロ初打席での初ヒットがスリーランホームラン。翌日にも2試合連続となるホームランを打ちました。

 

プロ初ホームラン(2017年10月3日)

さらにクライマックスシリーズ、日本シリーズでも出場機会を得るなど、高校卒業のルーキーとして潜在能力の高さを見せました。しかし、その後は毎年レギュラー候補として期待されながら、打率は1割台から2割台前半。持ち味の長打力もなりを潜め、6年間の通算ホームランはわずか6本で1軍に定着できませんでした。そうした中で出場機会が少ない中堅選手の移籍活性化を目指し去年12月に初めて行われた「現役ドラフト」を経て、細川選手は中日に移籍。ラストチャンスをもらった新天地での入団会見では覚悟を示しました。

 

細川成也選手

新たなスタートで楽しみです。自分自身チャンスだと思ってやっていきたいです。長打力が魅力だと思うので、結果を出してアピールしたいです。どこの球場でもホームランを打つ自信はあります。チームの戦力になれるように優勝に貢献できるようにやっていきたいです。

 

飛躍のきっかけつかんだ春のキャンプ 

背水の覚悟で参加した2月の春のキャンプ。和田一浩打撃コーチとの出会いが飛躍のきっかけとなりました。和田打撃コーチは西武から中日にFA=フリーエージェントの権利を行使して移籍。40歳を超えて通算2000本安打を達成するなど、ベテランと言われる年齢になっても卓越した打撃技術で活躍を続けました。

 

和田一浩コーチ

和田打撃コーチは細川選手のバッティングを見て、パワーはあるが体の使い方が身についていないと分析。一風変わったメニューを取り入れて、細川選手の気づきに期待しました。テニスラケットでボールを打つメニューには強い打球を飛ばすための要素が含まれているといいます。強い打球は軸足(右足)でしっかり踏ん張って『ため』を作り、ボールに力を伝える必要があります。打席に立った時にも欠かせない感覚を体に覚え込ませようとしたのです。とりわけキャンプ序盤はバッティングの『肝』について、和田打撃コーチによるマンツーマンの徹底的な指導を受けました。

 

和田打撃コーチ

打球の飛距離は出る選手だが不器用な部分があるので、いろいろな刺激を入れながら、こういうのはどうだとか、問題を出しながら体の使い方を覚えていったらいいのかなと思っていました。

開幕1軍入りで5月の月間MVPにも選出

オープン戦でアピールに成功した細川選手は開幕1軍を勝ち取り打線を引っ張る存在になりました。5月には打率3割6分、ホームラン5本をマークし、プロ7年目で初めて月間MVPに輝いたのです。5月27日には大リーグでその年に活躍したピッチャーに贈られるサイ・ヤング賞の受賞経験があるDeNAのバウアー投手から1試合2本のホームランも打ちました。

 

バウアー投手からこの試合2本目のホームラン(5月27日DeNA戦)

7月には初めてオールスターゲームに出場。ホームランダービーでは並み居る長距離バッターを抑えて決勝に進出しました。そして9月2日の広島戦で中日の日本選手では和田・森野両打撃コーチが13年前にマークして以来となる20号ホームランを打ったのです。広いバンテリンドーム ナゴヤを本拠地とする中日では達成するのが極めて難しい節目の数字、それまでの指導への恩返しとなるホームランでした。

 

20号ホームランを打った細川選手(9月2日広島戦)

細川成也選手

心機一転チームも変わって、新たな気持ちで入れましたし、監督や和田コーチなど多くの人に出会いサポートしてもらったシーズンでした。いろいろな人に感謝したいです。特に和田コーチにはバッティングの1から10までたくさん教えてもらいました。結果を出せたのも和田コーチのおかげだと思っています。

 

終盤は相手マークに大苦戦 打率が急降下

シーズン開幕から貧打にあえぐ中日打線の中で気を吐いていた細川選手でしたが、シーズン終盤は深刻な打撃不振に陥りました。細川選手を抑えることで中日の得点力が落ちるため、相手チームの投手陣は対応できていなかった低めの変化球を中心にした配球で攻め続けたからです。9月は月別では最多の6本のホームランを打った一方で、打率は1割4分9厘と大きく落ち込んでしまいました。

 

細川成也選手

1年間戦うのは僕自身初めてだったので、この波をどうにかなくさないと1年間通していい成績が残せないなと本当に感じました。インコースのあとの変化球や落ち球が増え、攻められ方も多少は前半戦と比べたら変わったと思いますし、僕自身がもっと対応していかないといけないなと思いました。

 

実質2年目となる来年のシーズンに向け、11月に行われた秋のキャンプでは課題克服に取り組みました。和田打撃コーチと改めて行っていたのが、軸足に『ため』を作る打撃フォームの確立。大きく歩幅をとったトスバッティングなどで軸足を意識したバッティングを再確認しました。

 

 

新たに始まった現役ドラフトを経て、細川選手はプロ7年目で開花しました。持ち味の圧倒的な長打力をさらに磨き、来季は最下位を脱出し13年ぶりのリーグ優勝を目指すと意気込んでいいます。

細川成也選手

来年は1試合1試合を大切に勝ちにこだわってやっていきたい。やっぱり勝たないと面白くないですし、ドラゴンズで優勝したい。ホームランに関してはことしは24本だったので来年は30本打ちたいです。

 

この記事を書いた人

猪飼 蒼梧 記者

猪飼 蒼梧 記者

令和元年入局。

 

新潟放送局を経て、現在名古屋放送局でスポーツを担当。

学生時代は競泳やライフセーバーとしての活動に打ち込み、足腰の強さには自信があります。

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