NHK sports

特集 貴景勝 ~節目の場所で2場所連続優勝へ~|番記者の推し相撲

相撲 2023年11月13日(月) 午後0:00

大相撲九州場所は初日としては4年ぶりに満員御礼。訪れたファンは6500人を超えた。注目の1人が大関・貴景勝、今場所初めての2場所連続優勝がかかる。今場所の推し相撲は、大関の相撲からスタートする。

初日から難敵が相手

貴景勝は大関として2場所連続優勝をめざした過去2回いずれも初日に敗れている。

 

力水を受ける貴景勝

さらに今場所の初日の相手、小結・北勝富士には先場所は黒星を喫した。過去の対戦成績で見ても13勝11敗と勝ち越しはわずかに2つ。難敵であることは間違いない。しかし、貴景勝はファンの声援を力に変えた。

 

 

立ち合いで、立ち後れ気味となった北勝富士に対して持ち味の突き押しで攻め込んだ。

 

 

一気に押し出して勝利。初日白星で上々の滑り出しを見せ、初の2場所連続優勝へ期待を感じさせる一番となった。幕内後半の審判長を務めた元大関・魁皇の浅香山親方も「しっかり前に押していたし、いいんじゃないか」と評価した。

大関・貴景勝

たくさんのお客さんの中でやれるので一番気合いが入る。無観客も経験しているし、お客さんの力はある程度感じている。

 

思い出の九州場所

貴景勝にとって、九州場所は思い出の場所だ。初めて番付にしこ名が載ったのが9年前。それが九州場所だった。

 

2018年九州場所で初優勝

そして、十両優勝を果たして新入幕を確実にしたのも、幕内での初優勝を果たしたのも、やはり1年納めの、縁起のいいこの場所だった。

大関・貴景勝

僕の相撲人生は九州場所から始まったし、毎年、九州に入るとその年のことを思い出す。

 

浮き沈みの多い1年に

九州場所を迎えるまで、ことしは浮き沈みの激しい1年になった。

 

春場所は初日黒星

1月の初場所で優勝したものの、横綱昇進を目指した3月の春場所ではひざを痛めて途中休場、子どものころからの夢は果たせなかった。

 

 

それでも9月の秋場所では4回目の優勝。7月の名古屋場所を休場し、必死にコンディションを整えた狙いが奏功した。苦しい時期を乗り越えながら初の2場所連続優勝を目指す立場で九州場所を迎えることができた。

大関・貴景勝

優勝2回させてもらって、休場も2回したので、自分の中ではことしは2勝2敗くらいの気持ちでやっている。今、上に向けた勝負ができていることはすごく感謝したい。

 

横綱に近づくために

「評価してもらえる相撲を取った先に最後の番付がある」

 

貴景勝は横綱について常々こう語っている。

 

日本相撲協会の横綱審議委員会(以下、横審)の内規には、横綱への推薦の条件として「大関で2場所連続の優勝」を原則とし「これに準ずる成績をあげた力士を推薦する場合は、出席した委員の3分の2以上の決議が必要」と定められている。

 

横審の稽古総見で山内委員長(中央/今年9月)

貴景勝は先場所の優勝が11勝4敗。その前の場所は休場だったこともあり、横審の議論の前提となる番付編成を担う審判部は九州場所で「綱とり」がかかるかどうかは明言していない。

 

それでも横審の山内委員長は「多くの条件や前提が満たされれば、『綱とり』という期待がかかるのではないか。場所全体の土俵の姿勢や最終的な星取りの結果を踏まえて判断されると思う」と期待感をにじませた。

 

 

夢の番付に近づくために。初日の土俵を締めた大関は、自身初めてとなる2場所連続優勝を「節目の場所」で果たすことをただ見据えている。

大関・貴景勝

きょう一生懸命やった人だけが次に進めるという気持ちで臨んでいる。やることはたくさんあるのでまた準備してきちっとやっていきたいし、勝負するだけだ。

 

この記事を書いた人

足立 隆門 記者

足立 隆門 記者

平成25年NHK入局。甲府局、山形局から地元の大阪局を経て、スポーツニュース部。30代半ばにして初の東京暮らし。

 

関連特集記事