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特集 ラグビー日本代表特別企画第2弾 リーチ×中村×山中×五郎丸の熱血トーク!

ラグビー 2023年7月13日(木) 午後0:30

開幕迫るラグビーワールドカップ。「ラグビー選手にとっては最高の舞台」と語るのはリーチマイケル選手。特別企画第2弾は、日本代表をけん引するベテラン選手と元日本代表・五郎丸歩さんが熱いトークを繰り広げます。大舞台に挑む男たちの"いま"と未来“に迫ります。(サンデースポーツ 2023年7月2日放送)

 

特別企画第1弾  長谷川慎×山村亮『スクラム対談』はこちら

メンバー紹介

 

前回大会、キャプテンとして日本をベスト8に導いたリーチマイケル選手。バックス陣をまとめた攻守の要、中村亮土選手。前回大会のスコットランド戦瞬間最高視聴率男の山中亮平選手。そして元日本代表の五郎丸歩さんです。収録前日は山中選手の35歳の誕生日ということで・・・。

 

 

中村選手:何歳ですか?

 

山中選手:25歳です!

 

中村選手:35やん(笑)。

 

和やかな雰囲気で対談スタートです!

過去イチきつい合宿⁉

 

五郎丸さん:本日はお集まりいただきましてありがとうございます。まず1番最初のトークテーマは「過去イチきつい合宿」。今は合宿をやっていますけど、噂に聞くと過去イチきついという話を伺っていますけどいかがですか?中村さん。

 

中村選手:いや、間違いないっすね。ジムの中のタックルセッションがあるんですけど、丸1時間ずっと動きっぱなしなんですよ。まあハードで、厳しくて妥協できない1時間なんで、それが過去イチきつい1時間ですね。

 

リーチ選手:1回経験してほしいですタックル練習。あれ、やばいよね。

 

中村選手・山中選手:やばいっす。

 

ガッツあふれるタックルを身上に、代表キャップ数33を誇る中村選手。経験豊富なべテランも音を上げるほどの過酷な合宿です。

 

 

中村選手:ディラン・ライリーとかは、最初のセッションで脱水症状になって。でも本当1つになることが1番目標達成への近道なので、今こうやってタフなトレーニングを全員で乗り越えて。

 

徹底したフィジカル強化に取り組むきっかけは4年前のワールドカップ。ベスト4進出をかけた南アフリカ戦で完敗したことでした。

 

山中選手:ちょっとすごいなっていう圧倒された感じはあった。ディフェンスとかも壁みたいに。

 

山中選手は身長1メートル88センチと大型のバックス。世界のトップチームを相手に何度も突破を試みましたが、ことごとくはね返されました。

 

山中選手:全然前に出られないし、この差がベスト8からはあるのかなと。

 

中村選手:改めてフィジカルって大事だなと思いましたね。フィジカルのところで負けちゃうと、何もできなくなっちゃうというところを感じたので。

 

リーチ選手:(世界の)トップ4とかべスト8とかより上にいったらディフェンスですね 。ワールドカップにいったら、でっかいやつがどんどん走ってくる。それを止めないといけないんだよね。いい練習はできていると思いますけどね。

チームキーワードは『エベレスト』

前回の目標「ベスト8」を上回る成績を見据える日本。選手たちが共有している「ことば」があります。

 

五郎丸さん:今『エべレスト』というのがチームのキーワードとしてあると思います。これはどんな意味が込められているキーワードですか?

 

リーチ選手:世界一の山。山を登るためにいろんなステージがあって、ベースキャンプ、2合目、デスゾーンとかあって。デスゾーンはもうワールドカップ。

 

合宿所の壁に掲げられているエベレストとその頂を見つめる選手たちは、ワールドカップという世界最高峰の戦いを過酷な登山になぞらえています。強化合宿やテストマッチなどの準備を重ね、挑むのが山頂付近のワールドカップ本番。そこは空気が薄い「デスゾーン」と呼ばれるエリアです。

 

 

リーチ選手:(デスゾーンは)1回失敗したら死ぬ、試合と同じ。1回のミスが痛い、負けちゃいます。そういうストーリーを作っているところだよね。合ってる?

 

中村選手:合ってます、ばっちりです。2019年のワールドカップの時に決勝トーナメントに残ったチームの中で、唯一日本だけが優勝を狙ってないチームだったと思うんですよ。あそこから勝つマインドを作るっていうのは目標設定を優勝にしないと。全員が同じ目標に向かって、同じ方向で、同じ歩幅で歩んでいくというのがすごく大事なってくるので。

 

山中選手:準備の仕方とかも変わってくると思いますし、チームの考え、マインドとかそういうところも高いレベルで準備はできるんじゃないかなと思います。

 

リーチ選手:僕はまずベスト8という目標が嫌いだった。ワールドカップ終わった時に、達成感がゼロ。ゼロじゃないけど、ちょっと物足りなくて。もっと上へ行きたい、優勝目指して頑張りたい。

キャプテン不在 チームをどう動かしているのか?

 

ワールドカップ優勝という頂を目指す上で、重要なのがチームを統率するリーダーの存在。かつて、代表の副キャプテンを務めた五郎丸さんには気になっていたことがありました。

 

五郎丸さん:今まだキャプテンが確定してない中で、どういうふうに今チームを動かしているんですか?

 

一同:沈黙・・・

 

五郎丸さん:これ決まってるな(笑)。

 

中村選手:いや、決まってないですけど、だいたい(チームは)回っているよね?

 

リーチ選手:リーダー陣いっぱいいるからね。自然とこう決まる。そんなキャプテンいてもいなくてもチームが回る。

 

2019年ワールドカップ

リーチ選手は2015年から2大会連続でキャプテンを務め、強いリーダーシップでチームの躍進を支えました。しかし、今の日本代表は各ポジションの中心選手たちがリーダーとなり、選手をまとめる役目を果たしているといます。

 

リーチ選手:選手主導、選手が決めてやる。リーダー陣にすごく力を与えて、リーダーをどうやって育てるかというのを結構色々やったよね。結構、2019年までのベースが今でも生きている感じはある。

 

山中選手:リーダーとかいろんな人が話してしっかりまとまっていく感じはあります。

 

リーチ選手:真面目だね、選手が。酒飲みに行こうという選手あんまりいないし、本当にプロフェッショナルになってきたよね。

 

五郎丸さん:3大会連続キャプテンというところは準備されていますか?

 

リーチ選手:もちろん。でもキャプテンになることはないと思います。

 

五郎丸さん:中村さん?

 

中村選手:めちゃくちゃびっくりした。

 

五郎丸さん:でも全然(キャプテン)あると思いますよ。

 

中村選手:いや、ないと思っています。

 

リーチ選手:ある。あります。

 

山中選手:リーチ、俺は?

 

 

リーチ選手:ない!

 

五郎丸さん:私もそう思います(笑)。

 

山中選手:僕もそう思います(笑)。

 

リーチ選手:見てみたいけどね。

 

中村選手:見てみたいです。

 

山中選手:もう無理よ、たぶん。絶対無理よ。

頂点への最大の難所は?

 

ワールドカップの1次リーグ、日本は前回大会準優勝のイングランドをはじめ強豪との戦いに臨みます。エベレストの頂上を目指すには数々の難所をくぐり抜けなくてはなりません。

 

五郎丸さん:優勝をターゲットにしていますけど、まずは予選プール(1次リーグ)だろうなと考えたときに、予選プール(1次リーグ)の1番最初に来る山場というのは、おそらくイングランド戦と僕は思っているんですけど、違いますか?

 

リーチ選手:チリ。先考えたら負け。チリ、僕はチリ。

 

中村選手:僕もチリですね。

 

リーチ選手:合わせてない?

 

中村選手:そんなことない、そんなことない(笑)。

 

山中選手:僕もいろんな所でチリって言ってます。

 

一同:(爆笑)

 

山中選手:初戦が大事だって(笑)。

 

 

リーチ選手:まずはチリね。初めてワールドカップ(出場の)チリからしたらラグビーを国民にプライドを持たせたい。その感情で来るから中途半端に“俺ら勝てる”と思ったら絶対負ける、絶対負ける、だから。

ワールドカップで目指す姿

 

五郎丸さん:この2023年のフランス大会、それぞれにとってどんな大会にしたいですか?

 

山中選手:僕はもうこのワールドカップでラストの覚悟でいってるんで。それぐらいの気持ちで、今回のワールドカップには臨みたいなと思っています。

 

中村選手:僕自身目立ったスピードとか体格に恵まれているわけじゃないので、そういう能力でもしっかり世界と戦えるというのを証明できる存在になりたい。

 

リーチ選手:ピッチに立ったときに無双できるくらいの状態を作りたい。昔から変わらない、証明したい。まず日本の選手は強い、日本ラグビーは強いと証明したい。日本には本当にすごい選手がたくさんいる。日本も強い選手がいっぱいいるから、それを証明したい。常にそれだけですね。

 

五郎丸さん:お話を伺ってきましたけど、本当にチームとして今ターゲットとしている『エベレスト』というものにしっかりと山頂に登って、また日本に帰っていただくことを期待しています。頑張ってください、ありがとうございました。

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