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特集 若元春 大関昇進に挑戦「いい相撲をがむしゃらに」

相撲 2023年7月1日(土) 午後0:00

名古屋場所は、豊昇龍、大栄翔、若元春の3人の関脇が同時に大関昇進を懸けて挑むという異例の注目場所となる。このうち若元春は、春場所に小結で11勝を挙げ、新関脇の夏場所は10勝。急速に力をつけて大関昇進に王手をかけている。

 

若元春と吉田賢アナウンサー(東京・中央区 荒汐部屋)

大関にいちばん近いと言われていた弟の若隆景が膝のけがで長期休場となっている中、大関を目指す若元春に、NHK大相撲中継でおなじみの吉田賢アナウンサーがインタビューした。

 

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名古屋場所は色気を出さず一番一番集中して取りたい

夏場所は11勝を挙げて初の技能賞を獲得

ーー名古屋場所は、大関昇進を懸ける場所ということになるのですがどうでしょうか。


正直、そういうことはあまり考えていないですね。実感もあまりないですし。やることは変わらないので、変に色気を出さずに一番一番集中して取れればいいかなと思います。

 

ーーもう1つ上に上がるためには何が必要でしょうか。


何ですかね、難しいですね。でもやっぱり勝星の合計の基準(3場所で33勝)というのがあるわけで、地力じゃないでしょうか。

 

大関貴景勝を押し倒しで破って11勝目 (夏場所14日目)

ーーここまで地力をつけてきた若元春関が、さらにつけるには何が必要ですか。

 

それはいまだに模索中です。考えることが大事なので、考えることはしています。

 

ーーやはり横綱大関を倒さなければいけません。


そうですね。いつまでも挑戦ではダメだと思うので、勝負したいですね。

夏場所の関脇4人が仲良く刺激しあっている

(左から) 新大関の霧島、関脇の大栄翔と豊昇龍

ーー霧島関が大関に上がりましたが、夏場所の関脇4人全員が2桁勝利を挙げて、ライバル意識というかいい刺激になったというか、どうでしょうか。

 

何かしらやっぱりあります。大栄翔関は入門も近いですし、同学年で仲良くしています。 霧島関も入門したころから部屋に来て一緒に稽古してくれるし、豊昇龍関は幕下のときに一緒に過ごしています。そういう身近なメンバーが固まっているということで意識はしますね。

 

ーー夏場所前の巡業から4人で積極的に稽古をして、さらに部屋を行き来して出稽古をすることが多かったですね。

 

若元春(手前左)と霧馬山 (4月30日茨城県神栖市)

そうですね。集まっていい稽古ができたというのが、夏場所の関脇のメンバーだからこそだったのでしょうけれど、いい刺激、いい稽古になり、張り合いになりましたね。私は自分1人で強くなったということはなく、周りの刺激に引っ張ってもらってやっとここまで来たので、仲良くしてきてよかったかなと思います。

 

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左四つで前に出る、納得のいく相撲を

得意の左四つで翠富士を寄り切って白星 (5日目)

ーー地力は着実についていると思うのですが。

 

取組ごとに少しずつ自信は感じられているのですが、それでもまだまだ遠いと思うので。

 

ーーこのところ工夫をしていろいろな立ち合いをしています。どうしてですか。

 

それは左四つになるためなのですけれども、 幕内に上がれるきっかけとなったのが、相手の右をおっつけて、嫌がったところで左を差す立ち合いだったのです。けれどもその立ち合いだけだとどうしても対策を取られてしまうのです。何がいちばん大事かというと、相手から嫌がられる力士がいちばん強い、やりづらいと思うのです。

 

ーー相手が嫌がることをしなければいけないというのは常々言ってきましたね。

 

もう北青鵬関みたいには大きくはなれないですし、若さもない。平戸海関みたいに一気に前に出る相撲が取れるようになるわけではないし、豪ノ山関みたいな強い立ち合いは私にはないですから、 相手が嫌がるところを的確に攻めていくことを考えています。今の相撲のままではここから先は勝っていけない。だったらもっといろいろと立ち合いを増やさないと、と。

 

うっちゃりで北青鵬を破って8勝目 (11日目)

ーー確かに去年の名古屋場所から、突っ張ってみるなど、いろいろな立ち合いを少しずつ始めていましたね。ちょうど1年たって、ある程度できるものとできないもの、変わるものと変わらないものが見えてきて、ということですか。

 

そうですね。そういうふうにしてきたのが、ちょっとずつ実を結び始めているのかなと思います。もう若くないので勝てばいいという相撲ではなくて、自分がどういう相撲を取りたいかというところに重きを置いています。納得できる相撲を取り切りたいですね。


ーーもう少し具体的に関取にとって納得のいく相撲というのは何ですか。

 

前に出ること。もっと左四つの安定感というか、左四つでバッと出ていくという相撲を取りたい。やはり自分が小学校のときに見ていて憧れていた、強いなと思っていた人たちと番付で肩を並べてやらせてもらっているので、そういう人たちが守ってきた、しっかりとした相撲を取りたいですね。自分が思っている三役の力は、まだまだこんなもんじゃない、実力が足りないと思うので。

関脇の地位に合った恥ずかしくない相撲を

ーー最後に名古屋場所への抱負を聞かせてください。

 

名古屋場所に向け意気込みを語る (6月27日)

関脇2場所目という地位に合った、恥ずかしくない相撲をしっかりと取り、成績を出したいと思います。

 

ーー3人の関取が大関昇進を懸けるのは極めて珍しいのですけれども、どうでしょうか。

 

正直、私はまだ大関っていうことは考えては取っていないので、今できる精いっぱいやろうかなと思っています。がむしゃらに突き進んでいけば(成績は)ついてくるものだと思うので、 変な色気は出さずに実直に相撲を取ろうかなと思っています。

 

ーー繰り返しますが、横綱に勝たないといけないですね。

 

そうですね。勝てないと思って最初は臨んでいましたけれど、今はがむしゃらにいい相撲取って、という考えになっています。何とか頑張ってみます。

 

 

雑誌「NHKG-Media大相撲中継」名古屋場所号より

 

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