特集 テビタ・タタフ 日本の誇る突破力!

ことし9月にフランスで始まるラグビーワールドカップ。開幕まで3か月を切っています。NHKでは、代表候補の選手たちにスポットをあてた特集記事を、ここまでNHKが放送してきた企画・リポートを含めシリーズでお伝えします。
日本代表には海外出身の選手も集結し、生まれや育ちの違いを超えて"Our Team"「自分たちのチーム」として戦っています。その1人が16歳でトンガからやってきたテビタ・タタフ選手です。日本の突破役の素顔に迫りました。(2023/4/22 おはよう日本で放送)
テビタ・タタフ 日本の誇る突破力
テビタ・タタフ選手
NHKをご覧の皆さん、タタフ・テビタです。(ちょっと言い間違えて、笑顔)
タタフ選手の魅力は、なんと言っても世界トップラスの突破力です。
リーグワンの試合で突破をはかるタタフ選手
身長1メートル83センチ、体重は120キロを超える大きな体で相手をなぎ倒します。
ワールドカップの優勝候補、フランスとのテストマッチでは、コンタクトプレーで苦戦が予想される中、力強く前進する力を見せました。
フランスとのテストマッチでトライを決める
体格で劣る日本にとって世界の強豪と戦うための貴重な戦力です。
テビタ・タタフ選手
ワールドカップに向けてワクワクしています。ボールを持ったときのアタックには自信がありますね。
食事に気を遣う そのわけは…
タタフ選手は所属するリーグワンの東京サントリーサンゴリアスでみずからを鍛え上げています。
求められるのは力強さだけではありません。体のキレも重要なポイントです。
そのために工夫しているのが、食事です。練習後のランチでは、大好きな納豆に…目玉焼きをのせたごはん。
おいしそうにほおばっていますが、しっかり炭水化物をとるのはランチだけです。
テビタ・タタフ選手
朝はだいたいスムージーを飲んでいます。ディナーは自分の家で鍋とかを食べていますね。
というのも、オフには体重が140キロまで増えてしまうというタタフ選手にとって、体のキレを出すためのベストな体重は122キロ。徹底した自己管理で力強さとキレを両立させています。
テビタ・タタフ選手
夕食を食べた後に、また腹が減ったらいつもは寝ます。食事は我慢しているところはありますね。
トンガにいる家族へ届けたい思い
タタフ選手は10人きょうだいの長男としてトンガで育ちました。スカウトされ16歳で日本に渡りました。
いまの願いはトンガの家族にワールドカップでの活躍を届けることです。
試合前、タタフ選手は手首のテーピングに“お父さん”、そして“お母さん”という文字をいつも書いています。
何よりも大事にしているルーティーンです。
テビタ・タタフ選手
いつも書くのはママとパパですね。今まで2人がずっと育ててくれたとか、小さいころからサポートしてくれたとか、感謝の気持ちがいっぱいです。そして、もう1回頑張るという気持ちになりますね。パワーアップできるという感じですね。
日本の突破役、タタフ選手。家族への感謝の思いを力に変えて、大舞台へと向かいます。
テビタ・タタフ選手
優勝を目指すこと。しっかり準備していいパフォーマンスを出せるように頑張っていきたい。
【取材後記】
ドレッドヘアだったタタフ選手ですが、最近は髪をバッサリと切りました。暑さの影響も考慮してということでしたが、心機一転ワールドカップに臨むという強い決意を感じました。(小林達記記者)
この記事を書いた人

小林 達記 記者
平成26年NHK入局。神戸局、大阪局を経て、スポーツニュース部。