特集 体操NHK杯優勝 橋本大輝&宮田笙子が生出演!

体操の個人総合で争うNHK杯で、大会3連覇を果たした橋本大輝選手と2連覇を果たした宮田笙子選手の2人がスタジオ生出演!村上茉愛さんとともに演技を振り返ります。(2023年5月21日放送)
村上さん:橋本選手3連覇です。おめでとうございます。
橋本選手:ありがとうございます。
村上さん:率直に今どう感じていますか?
橋本選手:演技内容はちょっと悔しいところもあったんですけど、今後の反省点としてしっかり見つめ直していきたいと思っています。
村上さん:宮田選手も見事な連覇だと思うんですけど、きのうの演技からひと晩たちましたが、今の気持ちはどうですか?
宮田選手:本当にけがの状態は良くなかったんですけど、全日本選手権に比べてたくさん練習を積んできた状態だったので、自信を持って演技できたかなと思います。
村上さん:結構笑顔とかも出ていたと思うんですけど。
宮田選手:そうですね。やっぱり全日本選手権のときに比べれば少し余裕が戻ったかなと思います。
男子決勝 橋本選手の演技
豊原キャスター:では早速その演技を一緒に振り返っていきたいと思います。まずはきょう行われた男子からです。
全日本選手権の得点を持ち越し争うNHK杯。橋本選手は2位に1.733の差をつけて首位でスタートしましたが、序盤から波乱がありました。
2種目め、課題としてきたあん馬の中盤で落下のミスが出ます。対する2位の萱和磨選手は、難しい技をやりきりました。2種目を終え、橋本選手との点差を縮めます。
豊原キャスター:橋本選手、このあん馬を終えた時点での心境はどんなものだったんですか?
橋本選手:ちょっとミスしてしまったので、最後まで丁寧にいこうってすぐ切り替えて、失敗を引きずらないようにしていました。
橋本選手はここから強さを見せました。3種目めのつり輪では、しっかりと体を静止して技を見せます。
演技後、橋本選手は「完璧だ」と手応えを口にしました。
村上さん:まさに言葉のとおり完璧だったんですけど、あん馬からのミスはどう気持ちを切り替えたんですか?
橋本選手:試合なので、このあと引きずってしまったらよくないと思っていたので、とりあえず次のつり輪はしっかり秒数も決めていけば、ミスは無いと思っていたので、丁寧にいこうと思って演技していました。
5種目を終え、萱選手に2点以上の差をつけて迎えた最後の鉄棒。F難度の大技「リューキン」に挑むことを決めていましたが惜しくも落下。それでも仕切り直したあとは手放し技を次々と決め、内村航平さん以来の3連覇を果たしました。
そして橋本選手と共に戦う世界選手権の代表争い。3位に入ったのは、全日本7位の三輪哲平選手。“絶対に俺が代表になる”と強い気持ちで臨み、初めての代表をつかみました。
村上さん:橋本選手、あん馬では昨年も落下があったと思うんですけど、課題はすでに自分では見えているんですか?
橋本選手:最近の練習では、あん馬でいい演技ができてなかったので、「ウグォニアン」という技で落ちてしまったんですけど、この前の技で足が当たって旋回が崩れてしまったので、そのまま無理やりいってしまったというのが今回の反省点だなと思っています。
村上さん:最後の鉄棒では、失敗がありながらも「リューキン」に挑むというのは、かなり攻めた姿勢が感じられたんですけど、どうしてやろうと思ったんですか?
橋本選手:点差も結構離れていたので、最後ちょっとやりたいなと思って、目標に決めていたので絶対に思い切ってやろうと思って。そうすれば後悔もないので、失敗することを恐れずに挑戦しました。
中川キャスター:世界に向けての思いというのもあったんですか?
橋本選手:はい。実際に世界選手権では絶対にやると思うので、最後決めきれる強さというのを見せたいなと思っていたんですけど、今大会ミスが出てしまったので、いい反省点として今後しっかり修正していきたいと思います。
女子決勝 宮田選手の演技
中川キャスター:ここからは、きのう行われた女子の戦いを見ていきましょう。村上さん以来5年ぶりの連覇に挑んだ宮田選手。まれにみる大接戦を制しての優勝でした。
宮田選手とデッドヒートを繰り広げたのが15歳の新星、岸里奈選手。1種目めの跳馬で高難度の「ユルチェンコ」2回ひねりを決め、高得点をマークします。直後の宮田選手も同じ技で臨みました。
中川キャスター:村上さん、高さがありましたね。
村上さん:はい。高さもありますし、着地にもすごい余裕があるのでよかったと思いますね。宮田選手、この跳馬に関して手応えはいかがですか?
宮田選手:本当はいつも、着地を止めに行くんですけど、今回に関しては足首の状態があまりよくなかったので、そのあとの演技のことも考えて、余裕を持った着地を取ろうと思っていたので、よかったかなと思います。
宮田選手は2位で前半2種目を終えます。そして3種目めの平均台。メリハリのある構成を大きなミスなくまとめます。ここで宮田選手が逆転し首位に。
中川キャスター:このときリードは僅か0.100とほんのわずかな差でしたが、どんな心境でしたか?
宮田選手:平行棒が終わったあとは少し不安だったんですけど、平均台とゆかで巻き返そうという思いは自分で決めていたことだったので、ゆかにいい演技でつなげられていたかなと思います。
その勝負の最終種目のゆかはハイレベルな戦いでした。まずは岸選手。冒頭のH 難度「シリバス」を成功。
中川キャスター:「シリバス」と言えば村上さんの代名詞ということですけど、どうですか?
村上さん:代表権がかかった試合で難しい技に挑んでくる姿勢、攻めの姿勢というのはすごくすばらしいと思います。きれいにまとまっていたと思います。
この種目、ここまでトップの点数で宮田選手にプレッシャーをかけます。その宮田選手は冒頭、同じくH難度の「チュソビチナ」を見事成功。
中川キャスター:ここ1番で「チュソビチナ」を組み込んだ演技。宮田選手、ここは攻めていったということですか?
宮田選手:そうですね。全日本選手権が終わったあとからNHK杯で(チュソビチナを)使うことを決心していたので、そこでこの着地を決められたのがよかったことだと思っています。
その後も細部まで丁寧な演技でまとめた宮田選手。連覇を達成しました。
中川キャスター:大接戦の中でも、演技中にやわらかい表情も見えて落ち着いているように感じたのですが、村上さんは宮田選手の演技、どんなふうにご覧になりましたか?
村上さん:そうですね。体に痛みがあったり、そういう不安があるとおっしゃっているんですけど、そういうのはあまり見えないというか、自信を持って、強いなという演技をしていましたし、勝ちに行きたいというのがすごく演技に伝わっていたので、とてもすばらしかったと思います。
中川キャスター:どうですか、先輩からの言葉。
宮田選手:今言ったように、本当に勝ちに行こうという思いがあったからこそ、最後まで諦めなかったし、0.1、0.001まで大切にしようというのが演技に出せたかなって思います。
中川キャスター:その宮田選手は4種目のうち、苦手意識のあった2種目めの段違い平行棒で得点を伸ばせたことが大きかったと感じているということなんですね。
宮田選手:そうですね。段違い平行棒は、自分の中で苦手意識がある種目だったので、自分は平均台とゆかの後半種目の方が自信を持って挑めると思っていたので、平行棒はめちゃくちゃ緊張していて、正直。それが終わった瞬間は、あとはもう思い切るだけだなって思えたので。その後の種目の自信につながっていたかなって思っています。
9月開催 世界選手権への意気込み
豊原キャスター:宮田選手は橋本選手と順天堂大学でも一緒に練習されているかと思うのですが、何か刺激を受けることはありますか?
宮田選手:橋本選手以外にも、男子は代表の選手がたくさん練習していて、内容は男子とは全く違うけど、練習の姿勢とかを見ていてもすごく刺激になりますし、この前も橋本選手から「トカチェフ」の動画を送ってもらって、それで学ぶことがあるかなと思って、そういうところを活用させていただきたいなと思います。
中川キャスター:橋本選手はどんな思いで動画を送ったんですか?
橋本選手:急いでちゃんとした動画を撮ろうと思って、撮り直してなるべく参考になるようにと思って渡しました。
豊原キャスター:刺激どころか高め合っているという感じですよね。2人がこの秋出場されます世界選手権が今から本当に楽しみになってくるのですが、意気込み、まず宮田選手はいかがでしょうか?
宮田選手:女子は今年、パリオリンピックの権利がかかっているので、団体でパリオリンピックの権利を取るために、自分はエースとして演技でみんなを引っ張っていけるようにしたいなと思います。
豊原キャスター:エースとしてという自覚がもうすでに。
宮田選手:そうですね。去年もそれはあったんですけど今年はより、そう感じるかなと思います。
中川キャスター:村上さん。オリンピックの出場権を獲得しにいくというのは?
村上さん:この権利を取らなかったらオリンピックに出られないので、すごく緊張する年でもありますし、権利もそうですし、オリンピックの前の年としてシミュレーションをして、オリンピックでどういう演技をするかを試す世界選手権にもなると思うので、すごく力が入ってしまうと思うんですけど、落ち着いてやってほしいなと思いますね。
豊原キャスター:橋本選手はいかがですか?
橋本選手:男子に関しては団体金メダルを昨年逃しているので、団体金メダルを獲得して、その勢いで個人総合の金メダル、そして種目別の鉄棒金メダルを取って3冠したいと思っています。
豊原キャスター:そのあたりの手応えはどうですか?
橋本選手:このままいけばいけると思うので、自信を持って練習していきたいと思います。
中川キャスター:では村上さん。お2人にエールをぜひお願いします。
村上さん:ちょっと恐れ多いんですけど。橋本選手はオリンピックも経験していますし、宮田選手も昨年、世界選手権も経験していて、世界の舞台は2人とも経験しているので、そこに関してはもう自分自身が1番どうすればいいか、どうやったら調整できるかというのは分かっていると思うんですけど、男女ともにメダルを取れるチャンスはあると思うので、言葉で言っていると思いますけど、強気で攻める姿勢で戦っていってほしいなと思うので、頑張ってください。応援しています。
橋本選手・宮田選手:ありがとうございます。