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特集 日本陸上選手権 4日間の見どころと注目選手をご紹介

陸上 2023年5月30日(火) 午後5:00

6月1日から4日間、大阪で開催される陸上の日本選手権。ことし7月のアジア選手権や8月の世界選手権などの出場権がかかる大会です。原則として、参加標準記録を突破し日本選手権で3位以内に入れば世界選手権の代表に内定します。世界選手権などでポイントを獲得するとパリオリンピック出場にもつながるため、来年のオリンピックを占う上で重要な意味を持つ大会となります。

 

パリオリンピックまでまもなく1年。大会の見どころと注目選手を紹介します。(※年齢は6月1日時点)

 

6月1日開幕!日本陸上選手権のページはこちら⇒

6/1(木)大会初日

大会初日の女子1500メートル予選には中距離のエース、田中希実選手(23)が出場します。

 

去年の日本選手権 女子1500mで田中選手が3連覇

東京オリンピックではこの種目で日本選手初の入賞となる8位に入り、日本選手権も3連覇中と、国内では圧倒的な強さを誇っています。しかし「国内では勝ちありきで、海外では負けありきで戦ってしまっている自分がいて、自分がどういう走りがしたいのかを考える時期に来ている」と、ことし4月にプロに転向を発表、海外遠征の機会を増やすなど環境を変えて臨みます。大会に向けては、国内外で高地トレーニングを行ってきたということで進化した田中選手の走りに注目です。

 

4月の大会で優勝した後藤夢選手

また、この種目には、田中選手と高校時代からの同級生で同じ実業団にも所属した後藤夢選手(23)もエントリーしています。4月の大会では田中選手をおさえて優勝した後藤選手。2人の同級生対決からも目が離せません。

 

東京五輪 男子マラソンで力走する大迫傑選手

また、男子5000メートル決勝には東京オリンピックの男子マラソンで6位入賞し、一時、競技を離れていた大迫傑選手(32)がエントリーしています。この種目に出場すれば7年ぶりとなる大迫選手の走りにも注目です。

 

そのほか、男子やり投げ女子3000メートル障害などの決勝が行われ、日本代表の座をかけた熱い戦いが繰り広げられます。

~実施種目~

男子:200m予備予選・予選/1500m予選/5000m決勝/三段跳び決勝/やり投げ決勝

 

女子:100m予選・準決勝/400m予選/1500m予選/3000m障害決勝/走高跳び決勝/円盤投げ決勝

 

6/2(金)大会2日目

大会2日目の注目は、女子やり投げ決勝です。

 

陸上の女子選手で、来年のパリオリンピックで最もメダルに近い存在と期待されているのが、女子やり投げの北口榛花選手(25)です。

 

去年の世界選手権 北口選手が銅メダルを獲得

北口選手は去年の世界選手権で女子の投てき種目では日本選手初の銅メダルを獲得。すでにことしの世界選手権の代表にも内定していて、どこまで記録を伸ばせるのか、自分との戦いになります。今シーズンに向けては助走のスピード向上と下半身と上半身のよりスムーズな連動に取り組んできました。序盤の2戦ではいずれも64メートルを超える投てきで連勝し、好調を維持したまま臨む今大会で、どこまでの完成度を見せてくれるのか、世界の舞台を見据えた上での試金石となります。

 

三浦龍司選手は東京五輪で日本記録更新

また、男子3000メートル障害には、東京オリンピックで日本選手初の7位入賞を果たし、この種目の日本記録を持つ大学生の三浦龍司選手が(21)エントリーしています。

 

このほか、この日は女子1500メートル決勝も行われます。

~実施種目~

男子:200m決勝/400m予備予選/1500m決勝/400mH予選/3000m障害決勝/円盤投げ決勝

 

女子:100m決勝/400m決勝/1500m決勝/100mH予選・準決勝/棒高跳び決勝/三段跳び決勝/やり投げ決勝

 

6/3(土)大会3日目

大会3日目は、陸上の花形種目、男子100メートル予選が始まります。

 

去年の世界選手権 日本選手初の決勝進出を果たしたサニブラウン選手

優勝候補の筆頭は、9秒97の自己ベストを持ち、去年の世界選手権で、日本選手初の決勝進出を果たしたサニブラウン アブデル・ハキーム選手(24)です。

 

去年の世界選手権 準決勝で力走する坂井隆一郎選手

そのサニブラウン選手を追うのは、自己ベスト10秒02と9秒台が見える位置まできた坂井隆一郎選手(25)。東京オリンピックのあと、勢力図が変わりつつある男子短距離の次の主役の座を争うレースは予選から目が離せません。

 

男子走り幅跳びの橋岡優輝選手(左)と吉田弘道選手

そして、男子走り幅跳び決勝には、大会3連覇と、6回目の優勝を目指す橋岡優輝選手(24)がエントリーしています。昨シーズンは、けがに悩まされましたが、オフシーズンには、アメリカで武者修行を積み助走の走力向上などに取り組みました。しかし、今シーズン日本歴代3位の8メートル26センチをマークした吉田弘道選手(23)も好調で、優勝争いの行方は混とんとしています。

 

女子100メートルハードル決勝もハイレベルな戦いが予想されます。5月の国際大会では日本選手の上位5人全員が12秒台という大接戦となりました。

 

福部真子選手(左)と寺田明日香選手

昨シーズン日本記録を更新し、2連覇を目指す福部真子選手(27)を筆頭におととしの覇者、東京オリンピック代表の寺田明日香選手(33)などがエントリーしています。

~実施種目~

男子:100m予選/400m予選/800m予選/110mH予選/400mH決勝/棒高跳び決勝/走り幅跳び決勝/ハンマー投げ決勝

 

女子:200m予選/800m予選/100mH決勝/400mH予選/ハンマー投げ決勝

 

6/4(日)大会最終日

大会最終日の4日目は、男子100メートルの準決勝決勝が行われます。

 

小池祐貴選手(左)と柳田大輝選手

去年の覇者、サニブラウン選手に坂井選手や、9秒台の自己ベストを持つ小池祐貴選手(28)、大学生の柳田大輝選手(19)などが挑む構図で、世界選手権の参加標準記録は10秒00と高いレベルが設定されています。日本最速を争う戦いは、記録にも注目が集まります。

 

また男子110メートルハードル決勝もハイレベルな記録が期待される種目です。

 

セイコーGP陸上で優勝した泉谷駿介選手(左)と2位の高山峻野選手(5月21日)

日本記録を持つ泉谷駿介選手(23)は、今シーズン自己ベストに迫るタイムで好調を維持したまま、大会を迎えます。この種目には世界選手権の参加標準記録をクリアしている高山峻野選手(28)もエントリーしていて新記録への期待も高まります。

 

(左から) 去年の世界選手権 川端選手、佐藤選手、中島選手

男子400メートル決勝には、去年の世界選手権の1600メートルリレーで日本新記録を更新し、4位に入ったメンバーのうち、佐藤風雅選手(27)川端魁斗選手(24)、中島佑気ジョセフ選手(21)がエントリーしています。リレーでは仲間の選手たちが、ライバルとしてどのような走りを見せてくれるのかも見どころのひとつです。

 

去年の日本選手権 女子5000mで優勝した田中選手(左)と2位の廣中璃梨佳選手

また、女子では、5000メートル決勝に2連覇を目指す田中希実選手が出場。1500メートルに続いて2種目にエントリーしている田中選手が、この種目の日本記録を持つ廣中璃梨佳選手(22)と激突します。

~実施種目~

男子:100m準決勝・決勝/400m決勝/800m決勝/110mH決勝/走り高跳び決勝/砲丸投げ決勝

 

女子:200m決勝/800m決勝/5000m決勝/400mH決勝/走り幅跳び決勝/砲丸投げ決勝

NHKはBS1と総合で大会の模様を4日間、中継でお伝えします!

 

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