NHK sports

特集 特集 ”立ち合い” 幕内力士アンケート結果 大公開!

相撲 2023年5月21日(日) 午後1:00

 

相撲の結果を左右するといわれる「立ち合い」。大相撲中継と「大相撲どすこい研」では、幕内力士にアンケートを実施しました。そこからは「立ち合い」の奥深さが、よ~く見えてきました。放送では紹介しきれなかった、アンケートの結果を大公開します。


どすこい研に出演の元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方によると……

 

二所ノ関親方

「僕だったら、アンケートに答えないですね。本当に8割くらい、立ち合いですべてが決まるので。ここがバレると、もう商売あがったりです!」

 

それほどまでに大事な「立ち合い」について、今回多くの現役力士が真摯に回答してくれました。あなたの応援する力士は、「立ち合い」とどう向き合っているのか?「立ち合い」について、さまざまな力士の考えが垣間見え、あなたの相撲を見る目も変わるかも。こちらでもお楽しみください!!!

 

⇒取組動画など夏場所特設ページはここから

アンケート結果大公開!!!!

Q1.「立ち合い」は勝敗の何割を左右する?

Q2.幕内と十両、一番の違いは「立ち合い」?

Q3.「立ち合い」まで、仕切の間どこを見る?

Q4.仕切り中にはどんなことを考えている?

Q5.手の付き方、先につく?後につく?

Q6.「立ち合い」で重視しているポイントは?

 

Q1.「立ち合い」は勝敗の何割を左右する?


半分の力士が、「立ち合い」が勝敗の8割以上を占めると回答。やはり、力士たちも勝敗を左右する大きな要素と認識しているようです。


目を引くのは、立合いが勝敗の10割を占めると唯一答えた大栄翔。アンケートを行ったのは、春場所終了後の巡業中でしたが、その春場所では会心の「立ち合い」で12勝3敗で優勝決定戦にも進出しました。

 

二所ノ関親方

「大栄翔は立ち合いが本当に強くて、ぼくも現役時代、 立ち合いの強さを求めて出稽古や巡業で当たっていました。立ち合いが決まって、右・左の手がリズムよく伸びたときの大栄翔はやっぱり強い!」

 

勝敗のすべてをかける大栄翔の立ち合い、今後とも注目です!!!


一方、二所ノ関親方は割合の低く答えた力士にも注目。

 

二所ノ関親方

「若手3人が5割と回答していますが、これから立ち合いの厳しさが分かってくると思います。金峰山も北青鵬も立ち合いを覚えれば三役、大関の逸材だと思いますよ!」

 

 

Q2.幕内と十両、一番の違いは「立ち合い」?

 

三役のうち4人が幕内と十両以下とでの違いは立ち合いだと答えたが、横綱照ノ富士は立ち合いではないと回答しました。

 

"はい"と答えた若元春は「幕内に上がったときに幕内の立ち合いのスピードや馬力が十両までとレベルが違ったため、負けない立ち合いをするのに苦労した」と語っています。一方"いいえ"と答えた関脇大栄翔は、押し相撲の力士であることを前提に、相手云々ではなく自分の理想の立ち合いをしたいという強い思いがインタビューから伝わってきました。

 

Q3.「立ち合い」まで、仕切の間どこを見る?

 

多くの関取は相手や相手の体の一部、と回答。胸やあごの下など、自分が立ち合いで狙いたい場所を見てイメージをしているのでしょうか。多くはそう答える中、再小結の正代は唯一客席を見ているそうで、取組前の独特なルーチンがあるのかもしれないですね。

 

二所ノ関親方

「正代関はさすがですね(笑)。僕は19歳のとき、朝青龍関と戦った時に土俵下からずっとにらまれて、震えあがっちゃったのを覚えてます。あの怖さ、忘れられないですね」

 

 

Q4.仕切り中にはどんなことを考えている?

 

仕切る間に客席を見ているという正代はやはり自分のルーチンがあるようです。無心になって集中を高めているのかと思いきや、意外にも作戦を考えているという力士たちが最も多くなりました。その他と回答した王鵬が何を考えているのか、気になります、、、。


ちなみに二所ノ関親方は……

 

二所ノ関親方

「ルーチンも作戦も考えてました。ルーチンは足の幅と、ピタッと止まる意識を持つこと。立ち合いで止まって当たりにいくと、すごく重みが出ます。『止まる、止まる』って、自分に言い聞かせていました」

 

 

Q5.手の付き方、先につく?後につく?


手を先につければ相手の動きを見ながら待ち構えることができるので、押し相撲の力士は特に先につきたい派が多くなっている。一方で特に気にしないという力士たちが最多数で、自分の形というよりも相手の出方をうかがいながらいかに優位に立てるかを考えているのかもしれません。

 

二所ノ関親方

「大栄翔みたいに、『行くぞ行くぞ!』という感じで待たれると、後からついて立ちにくくなるときがあるんですよ」

 

 

Q6.「立ち合い」で重視しているポイントは?

 

最も多かった答えは「当たる角度」「相手より先に自分の形を作りたい」(若元春)「自分の一番自信のある角度、高さで勝負したい」(王鵬)など、それぞれにこだわりの角度を持っているようでした。意外な回答としては「地元・モンゴルの人に見てもらいたいから美しさを重視している」という千代翔馬。どの関取も、立ち合いへのこだわりは強いようです。

 

二所ノ関親方

「僕は『一撃で相手をしとめる』。
一撃でバチーン!と当たって、相手がクチャっとつぶれる相撲が理想でした」

 

 

⇒取組動画など夏場所特設ページはここから

ランキング結果を大公開!!!!

大相撲中継と大相撲どすこい研では、最新の画像解析技術を駆使し、春場所の幕内取組で「立ち合い」の①衝撃力②スピード③低さの3つを計測しました!放送でもご紹介したそのランキングをここに大公開です!


あなたの推し力士の衝撃力は?!意外なスピードスターは?!など、普段なかなか見られない立ち合いのデータをお楽しみください!!!

相撲はパワー!?立ち合いの「衝撃力」ランキング!!

相撲といえばほかの競技にはないパワーが魅力!力士が立ち合いでぶつかりあった時の力を「衝撃力」とし、最新の映像解析技術で導き出した!(※衝撃力は加速度×体重)


幕内力士の1取組あたりの衝撃力ランキングベスト5がこちら!

 

(15日間で値の高い5取組の平均)

1位は354.40!身長185センチ・体重196キロを誇る巨漢大翔鵬!2位は319.00で高安・宝富士と重量のある力士がランクイン。4位の水戸龍以外はアンケートでも立ち合いで重視しているポイントとして、「当たりの強さ」を挙げていました。


大翔鵬のパワーあふれる相撲は大相撲特設サイトで!

 

一瞬で飛び込め!立ち合いの「スピード」ランキング!!

立ち合いで相手より一瞬でも早く当たり、まわしを取るために必要となるのが「スピード」。春場所のデータから幕内力士の立ち合う瞬間の平均速度を計測した!

 

(15日間で値の高い5取組の平均)

1位は千代翔馬2位は豊昇龍とやはりスピードに定評のある力士がトップに。二人ともアンケートでも立ち合いで重視しているポイントとして「スピード」をあげています。


千代翔馬の目にも止まらぬ立ち合いは大相撲特設サイトで!

 

相撲の基本?立ち合いの「腰の低さ」ランキング!!

相撲の基本?立ち合いの「腰の低さ」ランキング!!相手の懐に飛び込むために必要なる「腰の低さ」を計測。

 

(15日間で値の高い5取組の平均)

1位は業師・宇良!相手の懐にもぐりこみ多彩な技を繰り出す宇良がトップに!レスリング出身ということもあって、立ち合いが低くなっているのでしょうか?

 

二所ノ関親方

「僕の現役時代も腰が高かったですが、無理に下げても力は出ませんでした。それぞれの、一番力が出る高さがあると思います!」

 

宇良の腰の低い立ち合いは大相撲特設サイトで!

 

 

各データ ランキング完全版を大公開!

令和5年春場所 幕内力士の平均衝撃力ランキング(kgf)

1位~41位

 

⇒取組動画など夏場所特設ページはここから

 

令和5年春場所 幕内力士の立ち合いスピードランキング[m/s]1位~41位

 

⇒取組動画など夏場所特設ページはここから

  

令和5年春場所 幕内力士の腰の低さランキング[m]

1位~41位

 

⇒取組動画など夏場所特設ページはここから

 

 

関連キーワード

関連特集記事