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特集 発表!プロが選ぶ平成の野球名場面ベスト10!

野球 2019年4月8日(月) 午後8:08

まもなく幕を閉じる、「平成」という時代。サンデースポーツ2020では、2月から4週にわたってスポーツの平成史を振り返りました。
3月3日放送回のテーマは「野球」。高校野球、プロ野球、そして国際試合。様々な場面で球史に残るシーンが生まれました。その膨大な野球の平成史をより深く味わおうと、番組ではプロ野球選手、監督、OB、球団スタッフまで関係者200人以上に「平成の名場面」を大調査!この記事では、そのベスト10を発表します!

ゲストの前阪神監督の金本知憲さん。西武二軍監督の松井稼頭央さんのコメントも併せて完全版でお伝えします!今も記憶に残るシーン盛りだくさんです!

第10位 代打逆転満塁サヨナラ優勝決定ホームラン!

平成13年、近鉄が優勝に王手をかけた試合。オリックスに3点リードを許したまま9回裏。満塁で代打に送られたのは北川博敏選手。ここで!

 

 

(実況)「代打!逆転!サヨナラ!満塁ホームラン!!」

 

まさに「記憶に残る」ホームランでした。

第10位 鷹のエースの涙

同点での第10位がもうひとつ。
平成18年、リーグ優勝を駆けた日本ハムとソフトバンクの戦い。先発したソフトバンクのエース・斉藤和巳投手。
0対0で迎えた9回。痛恨のサヨナラ打を浴びます。

 

 

この後、斉藤投手はマウンドで力尽き、しばらく立ち上がれず。涙を流し、チームメイトに支えられながらグラウンドをあとにするエースの姿に心打たれました。

第9位 平成の怪物・鮮烈デビュー

 

第9位は平成11年、西武・松坂大輔投手のプロデビュー戦。日本ハムの片岡篤史選手を155キロの速球で三振。

この場面に投票した選手は「高卒で155キロはすごすぎる」とひとこと。プロも驚く平成の怪物の初登板でした。

第8位 日本シリーズ 継投での完全試合!

第8位は平成19年、中日と日本ハムの日本シリーズ。中日の先発・山井大介投手は、8回まで1人のランナーも許さない完璧なピッチング。ところが9回。ベンチを出る落合博満監督。その後、ナゴヤドームにまさかのアナウンスが。

 

 

「ピッチャー山井に代わりまして、岩瀬!」

 

 

どよめきの中マウンドに上がったのは、抑えの岩瀬仁紀投手。そして岩瀬投手も9回を3人で締め、継投での完全試合を達成!采配への驚きとともに、山井投手、岩瀬投手への称賛の声が集まりました。

第7位 オールスター 力と力の勝負

第7位は平成18年のオールスターゲーム。阪神・藤川球児投手と西武・カブレラ選手の全球ストレート勝負。

 

 

藤川投手が「火の玉ストレート」と呼ばれた速球で三振!力と力の真っ向勝負に憧れる声が多く聞かれました。

第6位 「10.8」

第6位は平成6年10月8日。巨人と中日が同率首位で迎えた最終戦。ナゴヤ球場での直接対決。
この試合、巨人は先発の三本柱と呼ばれた槙原寛己、斎藤雅樹、桑田真澄の継投。この長嶋監督の采配が見事に当たり優勝を勝ち取りました。

 

第5位 松坂vsイチロー

第5位は平成11年、西武・松坂投手とオリックス・イチロー選手の初対決。平成の怪物と天才打者の対決の結果は…。

 

 

第1打席は速球で空振り三振。

 

 

第2打席は変化球を見逃し三振。

 

 

そして第3打席も変化球で空振り三振!イチロー選手の3連続三振で、松坂投手に軍配が上がりました。

第4位 延長17回の死闘

 

 

第4位は平成10年の夏の甲子園、横浜とPL学園の準々決勝。この試合、横浜のエース松坂投手は250球を投げて完投。3時間37分に及ぶ死闘を制しました。
多くのプロ野球選手たちにとっては、少年時代にこの試合を見て、甲子園を目指すきっかけになった試合だったといいます。

第3位 ハンカチ王子vsマー君

第3位は、平成18年夏の甲子園の決勝。「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹投手の早稲田実業と田中将大投手を擁する駒大苫小牧の試合は、延長15回でも決着がつかず再試合に。

 

 

翌日の再試合、早稲田実業1点リードで迎えた9回2アウト。打席には田中、マウンドには斎藤。最後は田中の三振でゲームセット。斎藤の早稲田実業が2日間に渡る激闘を制しました。
「野球界のスターが生まれた瞬間」として、この試合はプロ野球関係者の記憶にも深く刻まれています。

第2位 被災地に捧げる初優勝

第2位は平成25年、楽天と巨人の日本シリーズ。3勝3敗で迎えた最終戦の9回。スタジアムに響いたアナウンスは。

 

「背番号18!田中将大!」

 

このシーズン、24勝0敗と圧倒的な成績を残した田中投手。前日に160球を投げていましたが、日本一をかけ2日連続のマウンドへ。そして…。

 

 

東日本大震災から2年、東北のファンの前でチーム初の日本一を決めました。

試合後のインタビュー。星野仙一監督は目に涙を浮かべながら、あふれる思いを語りました。

 

 

「被災地の皆さん、ご苦労なさってます。ほんの少しでも、雀の涙でも癒してあげられたらといつも考えていました。これだけ勇気を与えてくれた選手をほめてやってください!」

第1位 世界一!イチローの一打!

 

 

第1位は平成21年、第2回WBC決勝。イチロー選手の、優勝を決めたタイムリーです。

この大会、チャンスで凡退するなど不振にあえいでいたイチロー選手。韓国との決勝、同点の延長10回2アウト二塁三塁の場面で打席が回り、センター前ヒット!最後の最後に決めたイチロー選手の勝負強さは、プロ野球選手の心に強く刻まれました。

 

西武・山川穂高選手「やっぱり、イチローさんは持ってる人だなって。」

楽天・則本昂大投手「テレビの前で拍手してました、気付いたら正座してました。」

オリックス・山本由伸投手当時まだ小学生だったんですけど、先生が普段は見られない学校のテレビをつけてくれて。この場面でみんなが超盛り上がったのを今でも覚えています。」

 

この他にもプロ野球関係者から多くの声が寄せられました。

「全然ガッツポーズを出さずに、いつも通りのリアクションをしているイチローさんはカッコよかった。」

「野球でこれだけ日本を元気づけられるんだと感じた。」

「野球ファンだけでなく、国民が感動した一打だと思う。」

 

 

プロ野球関係者が選ぶ名場面ベスト10。結果はこのようになりました。

 

金本知憲&松井稼頭央の名場面レビュー

番組のゲストの金本知憲さんと、松井稼頭央さんに大越健介キャスターが話をむけると、このランキングに関しては話は尽きません。

 

 

大越 まさにテレビにくぎ付けになった試合がいろいろありましたが、プロの選手や関係者に聞いたアンケートの中で、高校野球が3位と4位に来てるんですよね。松井さん、これは自然なことですか?プロの選手たちにとって。

 

松井 そうですね。甲子園の時期になれば選手はみんな試合見てますね。「この選手いいな」とか、「この選手うちに来てくれへんかな」とか(笑)。常に話題になります。特に4位の横浜対PL学園は、PLは僕の母校なので僕もずっと見てましたね。

 

大越 その松坂投手は「平成の怪物」と言われましたけど、トップ10に9位、5位、4位とランクインしています。金本さんは戦ったリーグは違いましたけど、松坂投手をどんな風に見ていましたか。

 

松坂投手は3つの場面がベスト10にランクイン!

 

金本 リーグが違うんであまり対戦できなかったですけど、やっぱり対戦したいなとずっと思ってましたよね。当時のパ・リーグで一番対戦したいピッチャーでした。

 

大越 松井さんは松坂さんとチームメイトにもなりましたが。

 

松井 自分も同じチームでしたから「後ろから見ている」だけで対戦したことがなくて、松坂投手とはいつか対戦してみたい気持ちもありましたよね。やはり松坂投手が投げる試合はどの試合も全席満員だったので、すごい注目度の中ですから。

 

大越 そして、2位に楽天の日本一がランクイン。あの試合で松井さんはショートを守ってましたよね。震災から2年での優勝でしたけれども、どんな事を思いながらグラウンドに立ってたんでしょうか。

 

松井 僕が楽天に入団したのがちょうど震災の年でした。星野監督は「勝つ事が、微力だけど被災者の方々の力になるんだ」と常々言われてました。そして2年たって日本一になれて、東北がひとつになったと思いますし、また東北だけでなく全国からも楽天を応援して頂くことができて、非常にありがたいと思いました。

 

大越 またこの年は田中投手が24勝0敗でした。

 

松井 もう(田中)将大が出たら勝てるってチームも思ってましたし、ファンの方も思っていたと思いますよ。勝てるピッチャー自体なかなかいないのに、「0敗」ですからね。負けがないですから。

 

大越 星野監督の「選手たちをほめてやってください」という言葉、まさに「星野節」が響きましたけども、金本さんも星野さんには特別な思い出があるんじゃないですか。

 

金本 そうですね。楽天の日本一の年は僕はもう現役引退してたんですけれど、やっぱりパ・リーグは楽天を応援していました。シーズン中も実は星野さんに応援のメールしたこともありました。マジックがつくかつかないかぐらいの時期だったと思うんですけどね。「星野さん、この勝ちはムチャクチャ大きいと思いますよ。多分いけますよ。」っていうメールをしました。星野さんは「ありがとう!頑張るわ!」って返してくれましたね。

 

大越 星野さんもまた平成の野球を彩った大きな存在ですね。

 

イチローは2度の世界一に貢献

 

大越 そして1位はWBCでのイチロー選手のタイムリーヒットでした。

 

金本 やっぱりあの決勝タイムリーは、僕も見ていて鳥肌立ちましたしね。見ていて「よっしゃ!」ってガッツポーズしたのを思い出しましたよ。

 

大越 あの大会ではイチロー選手は不振でした。でもやっぱり打つべきところで打ったと。

 

金本 最後の一番大事なところ、ここ一番といいますか。さすがだなと思いますね。

 

大越 松井さんはどうですか。

 

松井 イチローさんは別格の存在ですよ。いやあ、かっこよすぎます。

 

平成の終わりに、イチローはグラウンドを去った

 




数々の名場面を生んだ平成の野球。果たして次の時代にはどんな名場面が生まれるのでしょうか。

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